禁酒法の時代に、こっそりひそかに経営していたBAR『SPEAKEASY』。2020年の東京の街にも、そんなひそかなバーがありました。月曜から木曜の深夜1時にOPENする“ラジオのなかのBAR”『TOKYO SPEAKEASY』。各界の大物ゲストが訪れ、ここでしか話せないトークを展開するとか、しないとか……。
6月2日(火)のお客様は、劇作家・俳優の長塚圭史さんとFPM・田中知之さんです。
(左から)長塚圭史さん、田中知之さん
◆長塚「めちゃくちゃワクワクした」
長塚: 4月10日(金)にね、大林宣彦監督が亡くなられて、僕らは夫婦でめちゃくちゃ親しかったんですね。それで、ここ3、4年の年越しは、ずっと大林家で過ごしていまして。そんな関係性だったのですが、4月10日(金)「海辺の映画館ーキネマの玉手箱」という新作映画が、公開する予定だった日に亡くなられて。
それでね、自粛期間中だったんですけど、葬儀には参列しました。10人ぐらいのお見送りだったんですけど、そのときにね、大林さんの遺影がね……遺影がですよ、カウボーイハットにサングラスで馬に乗っていたんですよ。
田中:なるほど。
長塚:写ってはいないんですけど隣にはチャールズ・ブロンソンなんですって(笑)。“マジか! こんな遺影見たことない”って思って。それで、お経を聞いているときに思ったんですけど、“この人は、いま絶対にロケハンに行き始めた”と。
これは、奥様の恭子さんの言葉でもあったんですけど、“どこ行ってるのかな”って。亡くなったんじゃなくて、次の場所に、それこそチャールズ・ブロンソンとかと、たどり着かない天竺に向かっているような、相当面白い映画の旅を始めたんじゃないかなって気がし始めて、めちゃくちゃワクワクした、っていう。“大林さん、すげぇな”って。
◆田中「サントラが好きでDJになった」
長塚:「海辺の映画館ーキネマの玉手箱」は、まだご覧になってないですよね?
田中:まだ観ていないです。
長塚:これをぜひ観てほしくて、それでこの映画のサントラが素晴らしいんです。
田中:長塚さんのSNSの投稿で「サントラっていいもんだなぁ」って書いてましたね。
長塚:サントラ好きでしょう? だから、これをおすすめしたい。
田中:めちゃくちゃ好きですね。僕、DJになったのはサントラがあったからなんですよ。その「海辺の映画館」のサントラは、僕は聴いていないから何とも言えないのですが、ちょっと、この生放送が終わったらアマゾンに買いに行こうかなと思います(笑)。どういう意味でそのサントラが良いか知りたいですね。
長塚:映画自体が、もう狂っているんですよ。
田中:素晴らしいんですね(笑)。
長塚:“狂っている”って言うといけないんだけど、面白い、もう最高なんです。若者たちが閉館間近の映画館で映画を観ていたら、スクリーンのなかに飲み込まれていくっていうね。それでさまざまな争い、戦争の歴史のなかに飛び込んでいって。幕末の明治維新のときだったりとか第二次大戦中だったり、もっともっと古い時代に戻ったりして、現実と非現実がまじりあっている感じが、“夢”のようで。
大林監督って、どこで撮っていても、撮影現場に行くと大体グリーンバックなんですよね。“マジか!?”って。撮影現場に行っても、外に行っても、ですよ!? 玄界灘がバーっと広がる丘の上に行っても“グリーンバック張ろう”って言うんですよ。
田中:いやもう、何て言うか、完全に“新世代の映画”なんですね。
長塚:まさに、新世代の映画です。このまま映画の良さをデジタルになっても繋げていくっていう、多分監督が、発想を変えたんですよね。だから、すげぇデジタルなんだけど、アナログな感じがするんですよ。やっぱり勉強になるな、と思って。
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本日、6月23日(火)は、行定勲さん(映画監督)×山崎洋一郎さん(ロッキング・オン編集長)がご来店。一体どんな話が飛び出すのか……!? お楽しみに!
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<番組概要>
番組名:TOKYO SPEAKEASY
放送日時:毎週月-木曜 25:00~26:00
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/speakeasy/