吉田美穂がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「DUNLOP presents みらい図鑑」。日本の美しい風景、地域で受け継がれる伝統、志を持って活動する人など、100年後の地球に生きる子どもたちへ繋げていきたい“ヒト・モノ・コト”を紹介しています。7月9日(土)の放送では、「田中帽子店」六代目の田中優(たなか・ゆう)さんに、天然素材でつくる「麦わら帽子」についてお話を伺いました。
天然素材&手作りならではの風合い
古くから「麦わら帽子」の生産が盛んな町、埼玉県春日部市。
かつて、米や麦の栽培が盛んだったこの土地でおこなわれていたのが、収穫した麦の「茎」の部分を使った、麦わら帽子の素材づくりでした。
その後、海外から工業用ミシンが輸入されたことで、麦わら帽子の生産が一気に広がり、町の産業として定着していきました。
麦わら帽子の素材となる、麦の「茎」の部分
伝統工芸品として知られている埼玉・春日部市の麦わら帽子ですが、後継者不足の問題から、ここ10年ほどの間にほとんどの工場が廃業を余儀なくされました。
そんななか、麦わら帽子を量産できる工場として、町に唯一残るのが、1880(明治13)年創業の「田中帽子店」。天然素材を専門とし、“一つひとつ、すべての工程が職人の手仕事であること”が、一番のこだわりです。
「手作りなので、同じ形のものを作っていても1個1個、やっぱり表情が若干違うんですね。それはミスではありません。同じ形のものを作っていても、1個1個違うんです」と田中さん。
日除けに最適で、「麦わら帽子をかぶると涼しいよね」と思ってもらえるように、“日本一、かぶりやすい麦わら帽子を作ること”を目標としています。
全工程が職人による手作業
「田中帽子店」が長く続けていられるのは、地域の人々に愛されているからこそと田中さんは話します。
誰かに贈り物をするときは、地場のものをプレゼントしたい。そんな思いで、麦わら帽子を買い求めに来る多くの地元客。春日部の人たちの郷土愛を、年々実感していると言います。
麦わら帽子を軸としながらも、一代一代変わるごとに、新しいことにトライする「田中帽子店」。
今、田中さんは、一見ハードルが高そうに思われがちな麦わら帽子のイメージを徐々に変えていきたいと考えています。
「好きな人だけが被る嗜好品ではなく、必需品として、一般の普通の方にこそかぶってほしいですね」
地元・春日部の人たちに愛されている「田中帽子店」の麦わら帽子
今年の夏も、町のいろいろな場所で、麦わら帽子をかぶっている人々の光景を頭に浮かべながら、この先も仕事をしていきたい。
春日部市の伝統工芸品は、そんな田中さんの思いとともに、未来へと受け継がれていきます。
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聴取期限 2022年7月17日(日)AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:DUNLOP presents みらい図鑑
放送日時:毎週土曜13:55~14:00
パーソナリティ:吉田美穂
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/miraizukan/