お笑いコンビ・麒麟の川島明がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「SUBARU Wonderful Journey 土曜日のエウレカ」。「あなたの心を、ここではないどこかへ」をテーマに、ゲストの「ココロが動く(=エウレカ)思い入れのある場所」へと案内していきます。
10月29日(土)放送のお客様は、俳優の松尾諭さん。自伝的エッセイ「拾われた男」(文藝春秋)が話題の松尾さんが、俳優を志し、現在の事務所に所属するきっかけを振り返りました。
松尾諭さん
1975年生まれ、兵庫県出身の松尾さん。テレビドラマ版「電車男」、NHK大河ドラマ「天地人」、映画「進撃の巨人」「シン・ゴジラ」など数多くのドラマ・映画に出演しています。
文藝春秋が運営するニュースサイト「文春オンライン」に連載した自伝的エッセイ「拾われた男」が書籍化されて話題になり、ウォルト・ディズニー・ジャパンとNHKエンタープライズの共同制作でドラマ化されました(10月11日(火)からNHK総合テレビで放送中)。ドラマでは、若かりし頃の松尾さん役を仲野太賀さんが演じています。
松尾さんは11月6日(日)から上演されているケラリーノ・サンドロヴィッチさん作・演出の舞台「しびれ雲」に出演中です。
TOKYO FMの番組「SUBARU Wonderful Journey 土曜日のエウレカ」10月29日(土)放送ゲスト:松尾諭さん
◆“生の舞台”を初めて観たときの衝撃
川島:俳優になろうと思ったきっかけは何ですか?
松尾:学校行事でクラシックとか落語鑑賞とかがあったんですけど、高校2年のときに演劇を観たんです。そのときに初めて(地元・関西では身近にあった)吉本新喜劇ではない舞台を観ました。
川島:私も関西人やからわかるけど、舞台って言ったら吉本新喜劇やからお笑いのほうになっちゃう。
松尾:そうなんですよね。「笑えない芝居の何が面白いんや」みたいな。
川島:めちゃくちゃわかる(笑)。小学校のときに同じ体験をしました。
松尾:しかも、生で舞台を観るのも初めてだったんですよ。そのときに受けた衝撃が最初のきっかけというか、「これをやりたい!」って思いました。
◆封筒の落とし主の正体は…
川島:役者になりたいことは、誰にも言い出せなかった?
松尾:すごく仲のいい女友達がいて、その子にだけ言いました。そうしたら「大学に行ったほうが潰しがきくんじゃない?」ってアドバイスをくれたので、「大学に行って演劇部に入ればなれるんちゃうかな」ぐらいの気持ちでした。結局、大学ではラグビー部に入って授業にはほとんど出ず、3年行って単位は18しか取れずに中退しました(笑)。
川島:潰しがきくというか、先が潰れてしまったような状態(笑)。でも、そこから上京するんですよね?
松尾:はい。
川島:上京してからなぜ芸能事務所に入るのかっていう話が、実写化(「拾われた男」)されたんですよね。どういった経緯なのでしょうか?
松尾:上京して間もないときに、友達が住んでいたアパートに居候させてもらっていたんです。朝方、喉が渇いたから家の前の自販機で飲み物を買って取り出そうとしたら、地面に封筒が落ちていたんです。お金の匂いがしたので開けてみたら航空券が入っていました。「羽田-金沢」間のチケットでしたね。
川島:ほう!
松尾:当時は飛行機に乗ったことがなかったから、すごく高額なものに見えて「これはお金になる!」と思って、航空会社に勤めている友達に「払い戻しってできへんかな?」って電話しました。
川島:極限状態でお金がなかったから聞いてみたわけですね(笑)。
松尾:そうです。「落とし主が届け出をしていたら犯罪者になるから、交番に持っていったほうがいい」って言われました。
川島:偉い友達や。
松尾:それで東京・表参道にある交番に持っていって、拾得物の書類を書いたんですけど、最後に「お礼を望む・望まない」みたいな欄があって、「望む」にマルを付けました。2、3日ぐらいしてから女の人から「チケットを拾っていただいた者です」と電話がかかってきて、「お礼をしたいから」と表参道のカフェで待ち合わせになったんです。そうしたら50代ぐらいの小柄な女性が来て、お礼にビール券3,000円分ぐらいもらって、ちょっとガッカリしたんです。
川島:正直ね(笑)。
松尾:僕のイメージやったら“万”の単位でした(笑)。そのとき僕は関西弁でしゃべっていたから「関西の方ですか?」と聞かれたので、「そうなんです。最近出てきたばっかりで」と答えたんです。
「何をしに出てこられたんですか?」って聞かれたから、恥ずかしかったんですけど正直に「役者になりたくて」と伝えました。「そうなんですか。私はプロダクションの社長をやっているんです」と言ったのが、今の事務所(FMG(エフ・エム・ジー))の人で、現在は会長職の方です。
川島:すごいですね。
松尾:今の事務所はモデル事務所なんです。長い話になるので、かいつまんで話すときは「表参道でモデル事務所にスカウトされた」と言っています。
川島:ちょっと語弊がある(笑)。拾ったのは“夢へのチケット”になったわけですね。
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11月6日(日)より松尾さんが出演されている舞台「しびれ雲」の詳細は
公式サイトをご確認ください。東京公演のほか、兵庫・福岡・新潟など地方公演もあるので、ぜひチェックしてみてください!
▶▶毎週土曜の55分間だけ営業する旅行会社EDC(=Eureka Drive Corporation)の社員たちが担当するPodcast番組(
AuDee、
Spotify)も配信中です。
次回11月19日(土)のお客様は、ゴールデンボンバーのボーカル・鬼龍院翔さんです。お楽しみに!
<番組概要>
番組名:SUBARU Wonderful Journey ~土曜日のエウレカ~
放送日時:毎週土曜 17:00~17:55放送
出演者:川島明(麒麟)
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/wonderfuljourney/