青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMの番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。7月24日(日)の放送では、消費者庁 次長の黒田岳士(くろだ・たかし)さんに、「子どもの事故」をテーマに話を伺いました。
(左から)青木源太、黒田岳士さん、足立梨花
◆夏は子どもたちの水難事故に注意!
警察庁によると、2017年~2021年の5年間で中学生以下の子どもの水難者は948名。年代別に見ると、一番多いのが小学生の515名で、そのうち亡くなった方や行方不明となった方は76名もいます。特に夏は海での事故の割合が増える傾向にあります。そして、今年は3年ぶりに開設される海水浴場もあり、海のレジャーにお出かけする人が増えることが予想されるため、注意が必要です。
黒田さんが、海での事故を防止するために注意するべきこととしてまず挙げたのは「遊泳禁止エリアでは絶対に泳がない。事故の発生場所を見ると、半数近くが遊泳禁止エリアで発生している」と指摘。そうした点を踏まえて、「海では、ライフセーバーや監視員がいる場所など適切に安全管理がおこなわれている海水浴場で泳いでください」と注意喚起をします。
また、海水浴場における溺水事故の多くが“離岸流(りがんりゅう)”によるものです。離岸流は河口付近や堤防沿いなどの岩場や人工物がある場所で発生しやすいため、これらの場所には「近づかないようにしてください」と黒田さん。なお、安全管理がおこなわれている海水浴場かどうかは、市町村の観光協会のWebサイトなどで確認できます。
海では浮き輪などの遊具の使用にも注意が必要です。というのも、潮の流れや風による影響を受けやすく、特にフロート遊具のような形状が立体的で表面積が大きい遊具は、風の影響を受けやすいことが分かっています。過去にも、そのような遊具に乗った子どもが風で沖に流され、溺れてしまった事故も発生しています。
天候や潮の満ち引きなど、時間ごとに海の状況は変化するので、風の向きや波の高さ、潮の満ち引きをしっかり確かめてから入るようにしてください。事前の備えとして、海上保安庁のWebサイト
「海の安全情報」や、潮の満ち引きの時間がわかるWebサイトなどの情報を参考にしてください。
◆“海での遊泳”以外にも水難事故の可能性が…
海で釣りを楽しむ方もいますが、釣りをしているときの子どもの水難事故の約9割が“海への転落”です。万が一に落ちてしまったときのためにも「ライフジャケットは必ず着用してほしい」と黒田さん。また、足場の悪い場所で釣りをする場合は、滑りにくく、かかとのある靴を履きましょう。そして子どもには、事前に堤防の縁から身を乗り出したり、立入禁止区域には絶対に入ったりしないように教えておくことも大切です。
この時期はプールで遊ぶことも多いと思いますが、海とは違って潮の流れなどの自然環境の影響は受けにくいものの“排水口に近づいて吸い込まれる”など、特有の事故に気をつける必要があります。また、プール施設で設置されている空気で膨らませたすべり台や浮島などの大がかりな水上遊具がある場合、その下に潜り込むと抜け出すことが困難となるケースがあるため、大変危険です。
◆夏場は“転落・墜落事故”にも注意が必要
夏の時期に増えるのは水辺の事故だけではありません。暑さから窓を開けたり、ベランダに出たりする機会が増えるため“子どもの転落・墜落事故”も増加する傾向にあります。消費者庁が厚生労働省の人口動態調査を基に集計したところ、2016年~2020年までの5年間で、9歳以下の子どもが建物から転落・墜落したことによる死亡事故は21件。そのうち3割が7月・8月に発生しています。
<実際に発生した事故事例>
・子どものいる寝室の窓を開けて網戸にしていたら、子どもが網戸を背に腰をかけて寄りかかり、網戸が外れて墜落した。
・自宅2階のソファによじ登り、窓から網戸を突き破って、3m下の芝生に網戸ごと転落した。
・家族を見送るため、鉄棒の前まわりをするときのようにベランダの手すりにつかまっていたところ、前のめりになって1階のコンクリートに落ちた。
子どもは好奇心旺盛で、外から聞こえてくる電車の音、家族や友達の声、犬の鳴き声などに反応して突然走り出し、手すりなどをよじ登って転落することがあります。そのため、「窓やベランダの手すり付近には、よじ登れないように足場になるようなものは置かないことが大切」と黒田さん。特にエアコンの室外機は、設置場所を決める際に手すりから60cm以上離したり、上から吊すタイプにするなど、子どもの足場とならないようにする必要があります。
そして、窓を閉めていても子どもが勝手に窓を開けたりベランダに出たりしないように、窓や網戸は子どもの手の届かない位置に補助錠をつけたり、ストッパーをつけて窓が大きく開かないように工夫することも有効です。
転落事故については、建物からだけでなく“抱っこひもからの転落”“遊具からの転落”“自転車からの転倒・転落”なども発生しています。抱っこひもからの転落は、頭から落ちることが多いため重症となる可能性が高く、実際、荷物を取ろうとした際に子どもが抱っこひもから転落してしまい、頭蓋骨骨折とくも膜下出血を負った事故などが発生しています。
そのような事故が起こる原因として「正しい使い方がされていない」と黒田さん。「バックル類の留め具やベルトのゆるみ、子どもの位置など、取扱説明書をよく読んで正しく使ってほしい」と声を大にします。
自転車の転倒・転落による事故については、幼児用の座席のついた自転車での事故が継続的に起きているそうで、走行中に段差を乗り越えようとしたときや子どもを乗せたまま自転車から離れたとき、子どもの乗せ降ろしをするときなどに転倒するケースが見られます。
走行中以外でも事故が発生しているため、「自転車に子どもを乗せる前に、必ず自転車用のヘルメットをかぶせるようにしてほしい」と黒田さん。座席に乗せたら、すぐにシートベルトを着用させ、「子どもを乗せているときは、できるだけ段差の乗り越えは避けるようにして、停車中も子どもを乗せたまま自転車を離れたり、目を離したりしないようにしてください」と警鐘を鳴らします。
幼児用の座席が付いた自転車は、子どもとの外出に便利な交通手段の1つです。安全・安心に利用するためにも、交通ルールを守ることや自転車の定期点検をしてもらうことも大切です。
最後に黒田さんは、今回紹介したような事故から子どもたちを守るために、「大人がずっと目を離さないで見ているのは難しいことですが、日ごろから“どこが、何が危険なのか”を確認して事前に環境を整えておくことが大切」と呼びかけました。
足立は、「第一に“ルールを守ることが大事だな”と感じた。ルールや取扱説明書に書かれていることをしっかり守ることで、事故を減らしていけることが分かりました」と言います。
青木は、水辺での事故に備えるためにも「大人でも子どもでも、海や川でレジャーを楽しむ際にはライフジャケットを着用することが大事」と強調していました。
(左から)足立梨花、青木源太
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<番組概要>
番組名:青木源太・足立梨花 Sunday Collection
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:青木源太、足立梨花
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/collection/