手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMの番組「防災FRONT LINE」。5月28日(土)の放送では、気象庁・大気海洋部の久保池大輔(くぼいけ・だいすけ)調査官に、6月1日(水)から開始された「線状降水帯予測」についてお伺いしました。
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近年では、台風や梅雨前線による大雨のほかに“線状降水帯”による災害も起きています。線状降水帯とは、発達した雨雲が線状に次々に発生して、ほぼ同じ場所を数時間にわたって通過・停滞することで集中豪雨を引き起こす現象です。令和2年7月の豪雨では、西日本から東日本の広い範囲にわたって長期間の大雨となりました。特に九州では、線状降水帯が多数発生して甚大な被害が発生しました。
そんななか気象庁は、6月1日(水)から「線状降水帯」の予測を開始しました。線状降水帯が発生する恐れのある場合には、半日から6時間前まで気象情報で発表されます。
その背景について、久保池調査官は「線状降水帯は、かなり予測が難しい現象でしたが、観測技術の進展・予測モデル、シミュレーションの高度化などを踏まえて、“大まかな地方単位”であれば、ある程度は予測できるだろうということで、6月から線状降水帯発生の可能性が高まっている地域をお伝えすることになりました」と説明します。
ちなみに“大まかな地方単位”とは、「関東甲信」「九州北部」などと大まかに分けられた全国11の地方のこと。「地方気象情報」「府県気象情報」などに“線状降水帯が発生する可能性がある”という文言を盛り込んで警戒を呼びかけます。
この線状降水帯の予測は非常に難しいため、「情報を出しても線状降水帯が起こらなかったり、情報が出ていないのに線状降水帯が発生してしまう可能性があります。ですので、この情報を発表したときには“大雨が起きる可能性があるんだ”ということで、住民のみなさまには災害に対する心構えをより高く持っていただいて、ハザードマップを確認したり、避難所・避難経路の確認などをおこなっていただきたい」と呼びかけました。
大雨や洪水に関する警報、土砂災害警戒情報などの大雨に関する情報に加えて、今後は「線状降水帯」についての発表があった場合にも、避難情報を確認して早めの行動を心がけるようにしましょう。
<番組概要>
番組名:防災FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25~8:30
パーソナリティ:手島千尋
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/bousai/