TOKYO FMで月曜から木曜の深夜1時に放送の“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。1月27日(水)のお客様は、THE BOOMのボーカル・宮沢和史さんとお笑い芸人・又吉直樹さん。ここでは「SNS」について2人が語り合いました。
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(左から)宮沢和史さん、又吉直樹さん
◆「やっぱり怖さも感じる」(又吉)
宮沢:又吉くんに聞きたいことがいっぱいあるんですよ。例えばですけど、小説って、詩とか俳句とかと違って説明をするし、その説明にすごく色味が出てきたり匂いが出てきたりする。それは技法であったり技術であったり、文の筆の圧力だったりするんですけど、今SNSっていうのがものすごく僕らを支配しているじゃないですか。
又吉:はい。
宮沢:SNSについてはなにか考えることってあります?
又吉:そうですね……すごく便利なところもあると思います。例えば“ライブをやります”って書き込んだら多くの人に一気に伝えられたりだとか、そういう便利なこともたくさんあるんですけど、やっぱり怖さも感じるんですよね。
例えば、まず何かを作って、それを友達に見せるけど誰もピンときてなくて。人前でも発表して“こうじゃないんだな”っていうところから、どうやったら自分の思っている感情や思い描いているイメージを鑑賞する側に伝えられるのかな、と考えながらやっていくなかで、だんだん“これだ!”っていうのが見つかると思うんですけど、(SNSがあると)そこまで行かずに満足してしまっていた可能性もあるのかなと思って。そういう意味ではすごい怖いですね。
宮沢:でもそれがもう、今ではサブカルチャーじゃなくて、メインのほうになってますよね。
又吉:そうですね。
宮沢:SNSだけじゃなくてネット社会というか、YouTubeも含めて。「高校生がYouTubeを6時間くらい見ている」っていうのをニュースで見てビックリしちゃって。
又吉:6時間といったら、学校の授業よりも長いですよね。
宮沢:その影響力っていうのはすごく怖いし、そこでの芸術とか学問とかっていうのは非常に曖昧であやふやなものだから、そんな流れにはすぐ飲み込まれてしまうし。
又吉:そうですね。
宮沢:そこでどう立ち振る舞うか。喧嘩していいのか、仲良くしたらいいのか。僕はいまだに分からないので、SNSもYouTubeも近づいてさえいないんですけど。
又吉:文学とか音楽もそうだと思うんですけど、即効性のあるものもあるし、数年後とか、下手したら10年20年後に“あのときのあの音楽が、実は自分にすごい大きな影響を与えていたんだな”って気づくこともあると思うんで、そういうものに触れる機会が、小学生や中学生とかからなくなってしまうのはもったいないなと思うんです。
宮沢:なるほど。
又吉:でも一方で、例えばそういう新しいSNSとかでも、僕らが知らないような刺激みたいなものがあるのかもしれないので、そういう面白かったり自分に何か影響を与えてくれるものがあるなら、積極的に触れてみたいなとは思うんですけどね。
<番組概要>
番組名:TOKYO SPEAKEASY
放送日時:毎週月-木曜 25:00~26:00
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/speakeasy/