青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMの番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。11月13日(日)の放送では、金融庁 総合政策局 総合政策課長の高田英樹(たかだ・ひでき)さんに、「つみたてNISA」をテーマに話を伺いました。
(左から)青木源太、高田英樹さん、足立梨花
◆資産づくり、資産形成のポイント
一般的に人生の三大費用は、「教育」「住宅」「老後」費用と言われています。
それぞれどのぐらいかかるのかというと、「教育費」は幼稚園から大学まで、公立や国立だった場合は、およそ800万円。すべて私立の場合は、およそ2,300万円もかかります。
「住宅費」は全国平均で、建売住宅の場合、およそ3,400万円。マンションの場合、およそ4,400万円。
「老後の費用」は、夫婦2人世帯の場合、65歳から90歳までの25年間分の生活費は平均で、およそ8,000万円。「ゆとりがある」とされる場合で、およそ1億500万円と言われています。
つまり、三大費用だけ考えた場合でも、結婚して子どもを1人もうけ、家を買い、夫婦で90歳まで生活すると、およそ1億2,200万円から1億7,200万円が必要になる計算です。
個人によって、どのくらいお金がかかるのかということには当然違いがあり、ライフスタイルも多様化しています。
例えば、家族に関して言えば、「結婚する・しない」「子どもがいる・いない」
「どちらか一方が働くか・共働きか」など、さまざまなケースがあります。そのほか、仕事に関しても「正規か・非正規か」「定年後も働くか・働かないか」などの違いがあります。
住まいも「持ち家か・賃貸か」「リフォームするか・住み替えするか」「都市に住むか・郊外に住むか」「移住するか・しないか」など、選択肢のバリエーションが豊富です。つまり、人生にいくらお金が必要かは人それぞれと言えます。
できることなら“人生を楽しみたい!”“豊かに過ごしたい!”という思いを叶えるには、人生のさまざまなステージで必要となる資金の確保が大切で、そのためには、安定的な資産づくり、資産形成をする必要があります。
資産形成には「『貯蓄』と『投資』の2つの方法がある」と高田さん。一般的に「貯蓄」はお金を蓄えることで、銀行の預金などが該当します。一方の「投資」は、利益を見込んでお金を出すことで、株式や投資信託などの購入がこれにあたります。
普通預金などの貯蓄は、一般的にすぐ引き出すことができるのが特徴で、高田さんは「日常生活の資金は貯蓄の形で持っておくことをおすすめします」と話します。また、病気や事故など、予期せぬ出来事で急にお金が必要になるような場合に備えたお金についても、「貯蓄の形で持っておくと安心」と言います。
しかしその一方で、現在、貯蓄は利率が低いため、「(銀行に)預けておいても大幅にお金を増やすことは期待できない」との指摘も。
お金を「投資」の形で持っていると、現金として引き出して使うためには、投資した資産を売却して現金に換えるなど、一定の手順を踏む必要があります。また、投資にはリスクがありますが、一方で値上がりや利益の分配などを通じて貯蓄よりも利益を得られる可能性が高いという特徴があると高田さん。
そのため、「教育や住宅購入、老後の資金など、今すぐに必要ではないけれど、将来に向けて増やしていきたいお金づくりのために活用するのに向いている」と説明します。
◆安定的に資産形成できる「つみたてNISA」とは?
「投資」にはリスクが伴いますが、リスクを軽減させる手段、安定的な資産形成として適しているのが「つみたてNISA」です。
「NISA」とは、正式には少額投資非課税制度と言います。通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った分配金に対しては、原則20%の税金がかかります。しかし、NISAの場合は、非課税、つまり税金がかかりません。
このNISAには主に「一般NISA」と「つみたてNISA」の2種類があり、日本に居住している20歳以上の方なら誰でも始められます。2023年1月以降は18歳以上の方もNISAによる投資ができるようになります。そして、「一般NISA」と「つみたてNISA」を比較して、特に投資初心者に適しているのが「つみたてNISA」です。
投資にはリスクがあるものの、「一般的に投資は長期・積立・分散の3つのポイントを押さえておこなうことで、リスクを軽減することができると言われています」と高田さん。
長期投資とは、購入後、10年、20年、長く持ち続けること。積立投資とは、例えば月々1万円ずつ投資するなど、コツコツと継続的に投資すること。そして、分散投資とは、投資する資産や投資先の地域などを分散させて投資することです。
例えば、投資先の地域を分散させることにより、より安定的に「利益」を得ることが期待できます。そして、この長期・積立・分散投資による資産形成を後押しするために創設されたのが「つみたてNISA」です。
「つみたてNISA」は長期保有を前提とした制度で、非課税期間は20年間です。また、買い付けの方法もあらかじめ決まった金額を続けて投資する積立投資に限定しています。
一般的に投資は安いときに買って、高いときに売れば利益が大きくなりますが、この投資のタイミングをとらえるのはなかなか難しいもの。しかし、定期的に積立投資をすれば、安いときに買わなかったり、高いときだけ買ってしまったりすることを避けられます。
また、「つみたてNISA」の対象商品は、「分散投資ができる投資信託のみに限られています」とポイントを説明。しかも、その投資信託のほとんどは販売時の手数料が0円で、運用期間中に必要な手数料も低い、低コスト商品となっていると言います。
金融庁では、投資初心者に向けて
NISAの特設サイトを開設しており、「つみたてNISA」の特徴などについて、資料や動画でわかりやすく紹介しています。
「つみたてNISA」を活用するには、銀行や証券会社に専用の口座を設ける必要があります。その口座数は年々増えており、2022年3月末時点でおよそ587万口座。「つみたてNISA」の口座を持っている方の7割程度が20~40代の方です。
あらためて、高田さんは「現在、政府では「貯蓄から投資」へのシフトに向けた取り組みを進めており、国民のみなさんが安定的な資産形成をおこないやすいよう、さまざまな環境整備を進めています。人生100年時代。豊かな人生を送るためにも、資産形成の第一歩に、ぜひ『つみたてNISA』をご検討ください」と呼びかけました。
これまで「つみたてNISA」に関心はありつつも、運用の仕方がわからなかったという足立は、「今回、あらためて知ることができてよかった。まだわからない部分もあったので、
NISAの特設サイトで詳しく調べてみようと思う」と興味を示します。
青木は、リスクを減らすためにも「長期・積立・分散」の3つのポイントを押さえておくことの重要性に着目。「この3つのポイントを押さえているのが『つみたてNISA』だということを、リスナーのみなさんにも覚えていただきたい」と強調しました。
(左から)青木源太、足立梨花
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<番組概要>
番組名:青木源太・足立梨花 Sunday Collection
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:青木源太、足立梨花
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/collection/