住吉美紀がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの生ワイド番組「Blue Ocean」。2月1日(月)放送の「Blue Ocean Professional リクルート コレカラ会議」のコーナーでは、リクルート住まいカンパニー「SUUMO(スーモ)」編集長の池本洋一さんが登場。コロナ禍における“仕事”と“住まい”のコレカラについて伺いました。
(左から)住吉美紀、池本洋一さん
◆コロナ禍で生じた“住まい探し”の変化
住まいのスペシャリスト・池本さんは、コロナ禍での住まいにおける変化で最も驚いたこととして、「昨年4月、緊急事態宣言が発令されたときには、家探しをする人はいなくなるんじゃないかと思っていたら、(Webサイト「SUUMO」の)閲覧数は1年前の1.3倍で、むしろ家を探す人がどんどん増えたこと」と挙げます。
家に求める条件にも変化を感じているそうで、なかでも顕著なのは子どもがいてテレワークに変更となった世帯。「『家そのものを変えないと新しい暮らし方に適合できない』という方や、トイレやお風呂でテレビ会議をやっている方もいると聞きます。子どもが小学生に上がる前に“引っ越そう”と思っていたけど、それまで待ち切れずに引っ越しをする方も多いですね」と実感を語ります。
そんな影響もあって、「一番求められるのは部屋数。次に、(テレワークで)会社の行き来に縛られなくなったので、シングルの方などは、もともと“この街に住みたかった”という場所に住み替えるケース。この2つが多い」と言います。
◆人気のエリアにも変化が!?
「SUUMO」のサイトによると、関東圏では、昨年の5~6月頃は逗子・葉山(神奈川県)や館山(千葉県)といったリゾート性のあるエリアの閲覧数がすごく伸びていたそうですが、このコロナ禍で長期間の閲覧データを取ってみると、一番伸びたのは和光市(埼玉県)、2番は立川(東京都)でした。その理由について池本さんは、「郊外のターミナル駅であることはもちろん、2つの駅とも再開発されて新しい商業施設ができ、いわゆるワンストップで大体のものがこの街に揃っていること」と分析します。
その一方で、意外だったという都内の人気エリアは、祐天寺や西小山 、代々木上原、不動前などの“山手線のターミナル駅から1〜2駅外側の駅”。ターミナル駅付近にある大きな商業施設を日常的に楽しめるだけでなく、「普段から住んでいる人たちは、その街の人しか(お店を)ほとんど使っていないので、地域のレストランなどに行って顔なじみの人をつくりやすい。ステイホーム期間が長くなるのであれば、街に知り合いができやすいし、生活は便利で自宅周辺は静か、ということで、人気駅の隣町も人気ですね」と解説。
そのほか、西武池袋線で池袋から1駅隣の椎名町も上位20位圏内にランクインしており、「こういうビッグターミナルの隣駅で、まだ下町感が残っているようなところは家賃が安いんです。しかも、そのわりに生活利便性が高い」とメリットを紹介。また、SUUMOの全体傾向としては、都内在住の方が千葉、埼玉、神奈川といった郊外のページを閲覧するケースも増えているようです。
◆コレカラのために考えたい「クラシゴト改革」
リクルート住まいカンパニーでは、アフターコロナを見据えたこれからの暮らし方として、新たなキーワード「クラシゴト改革」を提唱しています。
働き方改革が叫ばれるようになって久しい昨今、このキーワードについて「仕事の前に“暮らし”がある。だから“暮らし方と働き方を一緒に見直し改革しましょう!”ということ」と池本さん。
新型コロナウイルスを感染拡大させないための対策として、政府はテレワークの導入を推奨しています。コロナ前からテレワークを実践していた企業があったものの、
「その動きはわずかでした。しかし、コロナ禍でテレワークが可能になる方々が少しずつ増えてきた。(テレワークによって)時間や場所が自由になるのであれば、“一緒に過ごしたい”“家族とこんな場所で暮らしてみたい”という暮らしの夢を先に考えて、そこから逆算で仕事との関係を考える。そういう人が今後増えてくるでしょうし、増えてきてほしいなと思います」と力を込めます。
「クラシゴト改革」を実現するために大切なことは、「まず、自分がどんな暮らしをしたいのかを考える。転職を検討するときも“(自分の理想とする)暮らしができる転職先なのかどうか”という目線を持つこと」。そして、池本さんは「今働いている会社のルールについても自分から提案してみてはどうでしょうか?」と投げかけます。
というのも、「クラシゴト改革」を実践している人に取材してみると、「自らがフィジビリティ(実行・実現の可能性)の対象として、『(社内で)副業第1号として認めてほしい。それで仕事のパフォーマンスが落ちるのか試したい』、『テレワークで、どこまでの範囲のことができるのか試させてほしい』と会社に申し出ている人もいる」と実例を紹介。
「1度、やりたいことを会社に伝えてみてはどうかと思いますね。(言われた)会社側からしても、今後多様な働き方を認めていかないと“辞めてしまう人がいるかも”と危機感を持つ企業もあると思うので、言ってみる価値はあるのでは」と話します。
◆「クラシゴト改革」を実践した人のリアルな声
また、池本さんは「クラシゴト改革」を実践した人からのリアルな声を紹介。その人は1人暮らしをしていて、コロナ禍で人とのコミュニケーションの機会がめっきり減り、プチ鬱(うつ)状態になってしまったそう。
そこで、趣味のサーフィンができる海の近くに住み替えたところ、「『自分を取り戻して、仕事のパフォーマンスも上がった。さらに、サーフィン仲間のコミュニティができ、知り合いが増えて新しい価値観が生まれ、それがまた仕事にフィードバックされた』といった好循環を生んだそうです」と言います。
たくさんの反響から、「暮らしを優先したことによって仕事ができなくなるのではなく、“仕事にも好影響をもたらす”という変化が生まれています」と手応えを語り、「コロナ禍では、自己肯定感というか、“楽しい”“うれしい”と思うことや、誰かから『ありがとう』と言われる機会も減ってきてしまう。暮らしのなかでつくられたネットワークで、自分の精神的な安心感、落ち着きをもって仕事に臨めるというのは大事なことです」と話していました。
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<番組概要>
番組名:Blue Ocean
放送日時 :毎週月~金曜9:00~11:00
パーソナリティ:住吉美紀
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/bo/