吉田美穂がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「DUNLOP presents みらい図鑑」。日本の美しい風景、地域で受け継がれる伝統、志を持って活動する人など、100年後の地球に生きる子どもたちへ繋げていきたい“ヒト･モノ･コト”を紹介しています。
4月20日（土）の放送では、和歌山にある「山本勝之助商店」土田高史さんに「棕櫚箒（しゅろほうき）」について話を伺いました。

「山本勝之助商店」の棕櫚箒

ゴミやホコリなどを掃く掃除道具・箒（ほうき）。その材質は、竹や草などさまざまです。今回の放送では、ヤシ科の植物・棕櫚（しゅろ）の樹皮を穂先の素材に使った「棕櫚箒」を紹介しました

棕櫚の木（写真奥）と棕櫚の樹皮

話を伺ったのは、和歌山・海南市にある「山本勝之助商店」の代表・土田高史さん。創業明治13年の同店で、棕櫚製品や山椒など紀州特産物を製造・販売しています。

「山本勝之助商店」の棕櫚箒は、すべて職人による手作り。棕櫚の樹皮を細かく裂いて、1つずつ丁寧に仕上げています。

「山本勝之助商店」の棕櫚箒

「“棕櫚の毛”は、非常に耐久性があるんです。長く使われる方で、10年以上使っている方もいらっしゃいます。愛着が出てくると、生活の一部になるんですね。“掃除をすることが楽しい”と感じながら、使っている方もいます」

竹の枝に棕櫚の樹皮を巻いて束ねて箒を作ります

丈夫で長持ち。独特の風合いを持った棕櫚箒は、見た目の美しさも魅力。最近は、インテリアの一部として“見せる掃除道具”として愛用する人も増えているそうです。

「棕櫚の箒は壁に飾ってもステキだし、掃除しながら楽しくなるのが箒だと思うんです。竹も１本１本違うし、棕櫚の木の皮の繊維も違います。だから、できあがったものは、世界に同じものが1つたりとも存在しません」

最後に、土田さんからはこんなメッセージも

「掃除機はとても便利です。それに対して、箒は、体を動かしながら掃くもの。生活に根付いた昔からの日用品です。身の回りのものは、化学繊維とかハイテクとか、どんどん便利なものに置き換わっていきますが、ちょっと不便だけど、自分たちの生活に馴染んだものも残ってほしいと思います」

やらなくてはいけないと思っていても、ついつい後回しにしてしまいがちな掃除。
重い腰が上がらない…という方は、まずは形から。“お気に入りの箒”を手にしてみてはいかがでしょう？

＜番組概要＞
番組名：DUNLOP presents みらい図鑑
放送日時：毎週土曜13:55～14:00
パーソナリティ：吉田美穂
番組Webサイト：https://www.tfm.co.jp/miraizukan/index.php