吉田美穂がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「DUNLOP presents みらい図鑑」。日本の美しい風景、地域で受け継がれる伝統、志を持って活動する人など、100年後の地球に生きる子どもたちへ繋げていきたい“ヒト・モノ・コト”を紹介しています。2019年12月28日(土)の放送では、「山田民芸工房」5代目の山田賢治さんに、「起き上がり小法師(こぼし)」についてお話を伺いました。
縁起物として愛されている「起き上がり小法師」
福島県・会津を代表する伝統民芸品「起き上がり小法師」。
赤ちゃんをかたどったかわいらしい人形は、何度倒しても起き上がることから、「七転八起」の縁起物として愛されています。
「起き上がり小法師」が誕生したのは、約400年前。当時の藩主・蒲生氏郷公が藩士に作らせて、お正月に売り出したのが最初だと伝えられています。
そんな会津では、毎年1月10日に開催される初市(はついち=十日市)で、それぞれの家庭が、家族の人数プラス1個の「起き上がり小法師」を買っていきます。
家族の人数より1個多く買うのは、家族や財産が増えるようにという願掛けと、無病息災や家内安全のための、身代わり的な意味合いから。
これを1年間、神棚などに飾り、1年が終わると、小正月におこなわれる“歳の神”(どんど焼き)で、お焚き上げする習わしです。
そんな起き上がり小法師ですが、昔ながらの人形を現在に伝えるのは、会津若松市にある「山田民芸工房」だけとなっています。
一つひとつ丁寧に手作りされ、最後はにっこりと笑った表情が描かれる「山田民芸工房」の起き上がり小法師。一体一体、微妙に異なる形や顔つきは手仕事ならではです。
伝統を現在に伝える「山田民芸工房」
「七転び八起きといって、転んでも、また起き上がる。何か問題があって転んでも、そこで立ち上がって、前に進んでいくのが人生だと思うんですね。今、起き上がり小法師を作っているのは私のところだけですが、昔と同じように変わらずに、未来になってもそういう気持ちでやっていきたいと思っています」と山田さん。
東日本大震災からの復興へ向けて起き上がる、“東北のシンボル”としても愛された起き上がり小法師。
転んでも、また起き上がってほしい。日本が元気になってほしい。そんな思いで山田さんは、今日も起き上がり小法師を作っています。
<番組概要>
番組名:DUNLOP presents みらい図鑑
放送日時:毎週土曜13:55~14:00
パーソナリティ:吉田美穂
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/miraizukan/index.php