モデル・タレントとして活躍するユージと、フリーアナウンサーの吉田明世がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「ONE MORNING」。8月25日(水)の放送では、テーマ「夏休み明け、子どもの自殺増加に思うこと」について寄せられたメッセージを紹介しました。
ユージ、吉田明世
夏休み明けの前後に、小・中学生、高校生の自殺が増える傾向にあります。小・中学生、高校生の昨年の自殺者数は、過去最多の499人。昨年を月別で見ると、8月が最多の65人で、前年の2倍近い数の子どもたちが自ら命を絶ちました。
こうした状況を踏まえ、不登校の子どもたちの声を伝える専門紙「不登校新聞」石井志昴(いしい・しこう)編集長は8月19日(木)に記者会見を開き、「もっとも警戒すべきは夏休み明け」と呼びかけました。その上で、「子どもたちの『学校へ行きたくない』という訴えは命に関わるSOS。保護者や教員など、子どもに関わる大人は見逃さないでほしい」と話しています。
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この日の放送では、今回のニュースを受けて設定されたテーマ「夏休み明け、子どもの自殺増加に思うこと」にたくさんのメッセージが寄せられました。この記事では、そのなかから一部のメッセージを紹介します。
■私はいじめが原因で何度か死を考えたことがあります。よく、「何で相談しなかったの?」と言われますが、相談をすることで「さらに(いじめが)悪化するのでは……」と考え、相談すること自体が恐怖でした。親にも心配をかけたくないので必死に隠し、学校も休まずに登校していました。
「死ぬことのほうが怖い」と言われていますが、私にとっては、生きていることのほうがずっと恐怖に感じていました。夏休みが明けて学校に行くことは、本当に恐怖でしかありませんでした。
そのときに助けてくれたのがクラスメイトでした。私がいじめられていることを学級会で取り上げてくれたので、結果としていじめがなくなりました。いじめられている人は、自分で行動は起こせません。だからお願いします。どうか勇気を持って助けてください。身勝手なお願いかもしれませんが、その勇気が自分の人生を大きく変えてくれます。今でもそのクラスメイトには感謝しています。
■学生時代にいじめを受けて、登校拒否をしていました。親は「行きたくないなら行かなくていいよ。その代わり、恥ずかしがらずに買い物とかに付き合ってね」と言ってくれて、応援してくれました。その言葉1つで勇気づけられました。感謝しています。
■私は悩みがあっても「親の前では明るくいないと……」って思っていたので、本当は学校に行きたくなかったときも、正直に言えませんでした。当時、家の電話で友達とやり取りをしていたところ、近くの部屋にいた親が私の異変に気づいてくれました。スマホなどがあった時代なら、親は気づきにくかったかもしれません。
親としても、娘に「何かあったの?」と聞く勇気がいったと思いますが、私は自分から話すつもりはなかったし、話すなんて大げさなことだと思ってしまっていたので、今思えば、親から声をかけてもらえたことで助かりました。難しいかもしれませんが、親から声をかける勇気も必要かなと思います。
■高校生です。私は中学のときから、理由はわかりませんが「学校に行きたくない」と思い始めました。そのときの学校には、親身になって話を聞いて受け止めてくださる先生がいたので救われました。ですが高校に入って環境が変わり、カウンセラーの方とも相性が合わず、1人で抱え込む日が多くなるように感じました。
高校2年のときに学校に行く気力がなくなり、通信制高校への転入を考えました。母親は賛成してくれたのですが、父親はどうにかして私を学校に行かせたい、という考えを持っていたようで、首を縦には振ってくれませんでした。
朝、自室にいるときに父親が入ってきて、「今日は行ったら?」と聞いてくることがとてもつらかったのです。その場をやり過ごすために「わかった」と返事をすると、「そうやって返事をするだけで行かないじゃん」と言われて、心臓が握り潰されたようでした。
学校に行かない私には価値がないのか、死んだら楽なのではないかと何度も考え、実際に行動に移そうとしたこともあります。今もほとんど状況は変わりませんが、学校には行かなければならないという圧に押されて登校しています。昔とは時代が変わり、考え方も時代とともに変わりつつあります。子どもの考えに寄り添い、一緒に立ち止まってくれる大人がもっと増えてほしいです。
このメッセージにパーソナリティのユージは「まず、ご自身のつらい状況を共有してくれたことに対して、ありがたいなと思います」と話し、吉田も「メールに思いを乗せることは、勇気がいることだったと思います。ありがとうございます」と語りかけます。
続けてユージが、「お父さんは悪気があるわけではなくて、おそらく学校に行って、いろんな友達とコミュニケーションを取ってもらって、明るい娘さんの姿に戻ってほしいんだと思います。だから、お父さんの「今日は行ったら?」は、お父さんのなかでは、たぶん最大限のソフトな言い方なんだと思う。
でも、もうすでに本人が『心臓が握り潰されるような思い』だと言っているので、その言葉をかけられること自体がつらかったんだと思う。『学校に行ったら?』の一言で、『わかった、じゃあ行くよ』って言って、行けるものじゃないんだよね」と話します。
吉田も「大人はつい、『背中を押して前に進ませてあげよう』って思ってしまうんですよね。親だとなおさら。でも、そこで前に進む必要はなくて、一緒に立ち止まることが大事なんですよね。この勇気あるメッセージが、たくさんの大人や、同じように悩んでいる方に届くと良いなと思います」とコメント。
続けて、「家庭によっては、親に相談できない家庭もあるかと思います。そういったときは、相談する機関がありますので、LINEや電話などで、第三者に相談してみるのも良いのかなと思います」とアドバイスを送ります。
ユージも「すごくつらいと思いますが、何かに頼ることを忘れないでほしい。人でも良いし、ネットでも良いので、ぜひそういう機関に頼ってみてください」と呼びかけました。
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今、悩みを抱えている子どもたちのための相談窓口があります。このほか、厚生労働省のWebサイトでも相談窓口などが紹介されています。
【子どもの相談窓口】
■「チャイルドライン」
0120-99-7777
相談時間:毎日16:00~21:00
■SNS相談「生きづらびっと」
LINE:@yorisoi-chat
相談時間:日、月、火、木、金……15:00~22:30
水曜日のみ……11:00~16:30
■「24時間子どもSOSダイヤル」
0120-07-8310
相談時間:24時間
■「#学校ムリでもここあるよ」
https://cocoaru.org
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聴取期限 2021年9月2日(木) AM 4:59 まで
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番組名:ONE MORNING
放送日時:毎週月~金曜6:00~9:00
パーソナリティ:ユージ、吉田明世
番組Webサイト
https://www.tfm.co.jp/one/