声優としても活躍中の鈴村健一（月～木曜）と俳優の山崎樹範（金曜）、フリーアナウンサーのハードキャッスル エリザベスがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「ONE MORNING」。1月19日（火）放送のコーナー「リポビタンD TREND NET」のテーマは「映画『ホーム・アローン2』でトランプ氏が出演するシーンを巡り、削除を求める動きが広がる」。BuzzFeed Japan News 副編集長・神庭亮介さんに話を伺いました。

※写真はイメージです

映画「ホーム・アローン2」のファンがSNS上で、同作でドナルド・トランプ氏がカメオ出演したシーンの削除を求めています。

鈴村：神庭さん、まず概要を教えてください。

神庭：問題になっているのは、映画「ホーム・アローン 2 ロスト・イン・ニューヨーク」で、マコーレー・カルキンさん演じる主人公の男の子が、当時、トランプさんが持っていたホテルでロビーへの道順をトランプさんに尋ねるというシーンで、トランプさんがカメオ出演しています。

最近の連邦議会議事堂での暴動問題や、Twitterのアカウントが永久停止になったこともあり、批判の声が大きくなっているようです。そんななか、SNSでは「『ホーム・アローン2』の登場シーンも消すべきだ！」という意見が出て話題になっています。

あるSNSユーザーが、トランプさんの出演シーンを「現在40歳のマコーレー・カルキンさん本人と置き換えたらどうか？」という投稿をしたところ、カルキンさんが「乗った！」「いいね！」と反応し、さらに別のユーザーがトランプさんを透明加工した動画をツイートしたら、カルキンさんが「ブラボー」とコメントしたことも話題になっています。

鈴村：神庭さんはトランプさんの登場シーンをカットすべきだと思いますか？

神庭：僕は、さすがに行き過ぎだろうと思います。まず大前提として、「カットしたほうがいいのでは？」というSNSの声に対して、出演者のカルキンさんが「いいね！」と軽くリアクションしただけのことで、実際の映画関係者が削除を決めたという話ではありません。

でも、こういう話が出てくること自体が、ちょっとどうなんだろうと。確かに、トランプさんはいろいろと問題が多かったですし、先日の暴動を扇動したのでは……という問題もありますが、だからと言って、今のトランプさんとは関係がない過去のシーンを、さかのぼって消すべきなのかと。それって、すごく怖い発想だと思うんです。

鈴村：トランプさんは、まだ罪に問われているわけではありませんが、日本でも最近では似たようなことがありますよね。（例えば、逮捕された俳優が）出演していた映画の公開が延期や中止になったり、キャストを入れ替えたり。アーティストなどもそうですが、いわゆる“活動自粛”という形があると思います。一方で、「曲や映画などの作品には罪がないのでは？」と言われています。これはどう思われますか？

神庭：僕も基本的には、作品とその方の人格は切り離すべきだろうと思います。その作品に関わったスタッフも含めて、これまで何の事件や事故も起こしてないのか？ と。これを言い出したら、ありとあらゆる作品が、何かしらのことで引っかかってしまう。だから、作品とは切り離したほうがいいと思います。

もちろん、相手がいて、例えば、殺人を犯してしまったとか、ひどい罪を犯してしまって、被害者の方が苦しんでいる状況であれば、考えるべきだと思います。そうではなく、例えば、薬物事案であったり、今回のトランプさんのようなことで、過去の作品にまでさかのぼるのは、おかしいと思います。あとは、誰もが観るテレビと、お金を払って自分の意思で足を運ぶ映画などの、線引きがあってもいいのではと思います。

鈴村：こういう問題が出るたびに思うのが、作品に罪はないということ。何か悪意があって作られたものなら訂正しなければならないと思うのですが、悪意がないにも関わらず、作品が批判されたり、削除されたりする動きが、より盛んにおこなわれているような気がします。

“不快に思う人がいるからカットしよう”という流れになると、“文句を言った人の勝ち”みたいな雰囲気にもなり兼ねないのかなと感じます。トランプさんの話に関しては、カットしないほうが良いのかなと思います。皆さんはどうお考えでしょうか。

番組名：ONE MORNING
放送日時：毎週月～金曜6:00～9:00
パーソナリティ：鈴村健一（月～木曜）、山崎樹範（金曜）、ハードキャッスル エリザベス
番組Webサイトhttps://www.tfm.co.jp/one/