高橋みなみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの生ワイド番組「高橋みなみの『これから、何する?』」。6月3日(水)放送のコーナー「TOKYO FM新型コロナウイルス関連情報」のテーマは「日本人独特の清潔好きという心理的な思考とコロナ感染予防」について。番組の冒頭でフリーアナウンサーの高橋万里恵が、精神分析医で、元ザ・フォーク・クルセダーズのきたやまおさむさんにお話を伺いました。
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高橋:精神分析医で、元ザ・フォーク・クルセダーズのきたやまおさむさんは、「日本では、なぜヨーロッパやアメリカ大陸など他国と比べて死者数が少ないのか。それは、文化人類学や精神分析、臨床の現場などの視点から、日本人独特の清潔好きという心理的な思考があったのではないか」といいます。
きたやま:日本人は、清潔ということに関してうるさい、気を遣う、神経質になっているというのが、よく言われるところで。私たちはしゃべるときに、大きな口を開けてしゃべるな、とか箸の上げ下ろしとか、そういうところまで厳しく言われるでしょ? で、これを早くから教えられる。例えば、手で直接触って食べることはあまりしないで育ちました。そこで身につけたものというのは、特に今回は唾液とか飛沫感染に注意しなきゃいけないような事情があったから、その辺りのエチケットが、実は有効であり、かなり今回役に立っていると思うと、バカにできませんね。
私は日本人が身につけた、もう既にあったソーシャル・ディスタンシングの感覚……人前で口を大きく開けないとか、モグモグ食べながらしゃべらないとか、大きな声で人前で怒鳴らないとか。そういうことを日本文化では徹底していて、一種の美学があったと思うんですよね。この美学を維持しながら、さらに科学的に学んだ2メートルだとかマスクがとても有効であるとか、科学的にも証明されているものを組み合わせてこれから活かしていけば、コロナを一時的にでも収束させることができると思うんですね。
私たち日本人らしさの神話的な、あるいは心理的な思考と科学的な思考が、うまく合わさったときに、けっこういい対応方法がなされていたんじゃないか? ということがこれから示されていくのではないかと思います。
高橋:確かに今回のこのコロナ禍で、日本人って本当に清潔なんだなって、あらためて感じましたよね。手を洗う、人前で大きく口を開かないなどのマナーは、日本人にもともとあったソーシャル・ディスタンスだときたやまさんはおっしゃっています。
そういう日本人の心理的な思考というのが、感染爆発を抑えるのにいい影響があったのではないかということでした。緊急事態宣言が解除された今も、新しい生活様式を取り入れて、行動を変えていくことが求められています。この行動変容というのは、なかなか難しい面もあると思いますが、もともとしつけとして私たちの行動様式のなかにあるものなので。こういった清潔に関する感覚を大切に、このまま気をつけていくことが重要となりそうです。
【番組概要】
番組名:高橋みなみの「これから、何する?」
放送日時:毎週月~木曜 13:00~14:55
パーソナリティ:高橋みなみ
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/korenani/