青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMの番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。9月4日(日)の放送では、内閣府・政策統括官(防災担当)付企画官(普及啓発・連携担当)の前川絋一郎(まえかわ・こういちろう)さんに、「家具類の転倒防止対策」をテーマに話を伺いました。
(左から)青木源太、前川絋一郎さん、足立梨花
◆「一日前プロジェクト」とは?
内閣府が2017年に実施した調査によると、大地震に備えて家具類の転倒・落下・移動を防止するために固定している人の割合は41%ほど。家具類の転倒防止は“食料・水の備蓄”とともに基本的な防災対策ですが、その実施率は半数に満たない状況です。
阪神・淡路大震災や新潟県中越沖地震では、倒れてきた家具類に下敷きになって多くの方が命を失ったり、大ケガをしました。また、近年発生した地震でケガをした人の約30~50%は、家具類の転倒・落下・移動によるものです。
家具類の転倒防止対策はとても大切なことなのに、なぜ実施できていない人が多いのでしょうか? 前川さんは「“やろうと思っているが、先延ばしにしてしまっている”“面倒”“自分ではできないと思う”という声を聞きます。これは、漠然と“自分は大きな災害に遭うことはない”と考えているからではないか」と推察します。
しかし、近年は思いも寄らないところで多くの災害が発生しており、誰もが災害に遭う可能性があるため、「危機感を持って防災対策をすることが大切」と警鐘を鳴らします。
そうした背景から、内閣府では、多くの方に防災を自分のこととして考え、備えてもらえるように「一日前プロジェクト」という取り組みをおこなっています。こちらは、地震や水害などの被害に遭われた方々に“災害の1日前に戻れるとしたら何をしますか?”と伺い、その体験談を多くの人たちと共有することで、災害に備える行動につなげていくことを目的としたものです。
内閣府による防災情報のページでは、被害に遭われた方々の体験談を公開しており、災害の種類や地域、場面ごとに検索できるようになっています。リアルな体験談として、災害に遭ったときの様子や困りごとが具体的に書かれているため、“自分だったら……”と置き換えて考えやすいのも特徴です。
◆家具類の転倒防止対策
後半は、具体的な家具類の転倒防止対策を紹介。前川さんは、「“大地震では家具は必ず倒れるもの”と考えて、日ごろから家具類の固定や配置の見直しをして“安全空間”を作ることが大切」と声を大にします。
例えば、寝室や子どもの部屋など、家族や子どもが長時間を過ごす部屋にはできるだけ家具類を置かないようにして、置くとしても背の低い家具類だけを置くようにするといった工夫が理想ですが、現実的に難しいという方も少なくありません。
そこで、前川さんが強調したのは「複数の対策を講じて効果を高めること」。例えば、背の高いタンスの場合、ポール式の器具を家具類と天井のあいだに立てて固定します。その際、器具はタンスの奥のほうに取り付け、天井や家具類の固いところに取り付けてください。
それに加えて、タンスと床のあいだにもストッパー式の器具を差し込み、タンスが移動しないように固定します。タンスが上下に分かれるタイプなら、連結金具でそれぞれがズレないようにタンス同士を固定します。
食器棚の場合も複数の対策が効果的と言います。特にガラス窓がある食器棚は、中の食器がガラス窓を割って飛び出してくる可能性があり、割れた食器やガラスが凶器になってしまいます。
観音扉(中央から左右に広がって開くタイプ)の食器棚の場合、地震の揺れで観音扉が開いてしまわないように、フック式の留め金をつけたり、ガラス窓にガラス飛散防止フィルムを貼ったり、中の食器が動かないように、棚に滑り止めシートを敷くなど、食器棚にもさまざまな対応策があります。
そのほか、粘着マットやストラップ式の固定器具、ベルト式の器具など、「最近は防災用のアイデアグッズがいろいろとあるので、上手に組み合わせて被害を最小限に抑えられるようにしていただきたい」と前川さん。
また、家具類の転倒防止対策を考えるときは、「家具類の配置にも十分な注意が必要」と言います。万が一、家具類が倒れてきたときに、寝ている人や座っている人に家具類が直撃しないように、さらに、倒れた家具類で出入り口をふさいでしまわないように、向きや配置も工夫しなければなりません。
最後に前川さんは、「今回の放送をきっかけに、まずは家のなかを見回して、危険な場所がないかを再確認してください。そして、必要に応じて家具類の転倒防止対策をお願いします」と呼びかけました。
足立は、「“大地震では家具は必ず倒れるもの”と大前提に考えておくべきことが、頭の片隅から離れてしまっていた」と気づきがあった様子。家では、家具を1ヵ所固定する対策は講じているものの、「“これだけでいいのか”“もしこれが倒れてきたらどうなるのか”までは考えていなかったので、(その点も踏まえて)部屋のレイアウトなども考えたい」と言います。
青木は、家具類の転倒防止対策のポイントとして、前川さんが挙げていた「複数の対策を講じて効果を高めること」に着目。「念には念を入れて、1つではなく複数でしっかりと対策したいと思った」と述べました。
(左から)青木源太、足立梨花
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<番組概要>
番組名:青木源太・足立梨花 Sunday Collection
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:青木源太、足立梨花
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/collection/