住吉美紀がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの生ワイド番組「Blue Ocean」。5月29日(金)の放送では、キッズリスナーから寄せられた悩みを専門家に伺うコーナー「子どもリモート相談室」で、医師の奥真也先生にワクチンについてお答えいただきました。
※写真はイメージです
<キッズリスナーからの相談>
ラジオネーム:ふくのすけくん 11歳
ワクチンについて教えてください。18世紀のイギリスで、当時ヨーロッパを苦しめていた天然痘のワクチン開発に初めて成功したエドワード・ジェンナーについて習いました。人間にあまり害のない牛痘を自分の息子に使って実験をしたそうで、びっくりしました。新型コロナウイルスのワクチンには、何を使いますか? また、世界中の人が新型コロナウイルスのワクチンを接種できるようになるのは、いつ頃ですか? 痛くない注射だといいです。
住吉:すごいですね。勉強熱心! 今回は医師で「Die革命~医療完成時代の生き方」の著者の奥真也先生に聞いてみました。
◆新型コロナウイルスのワクチンには、何を使いますか?
奥:ふくのすけくん、こんにちは。ご質問ありがとうございます。ジェンナーの時代は今よりだいぶ昔なので、ワクチンになる候補ができたら、それをいきなり誰かに投与して、ちゃんと役に立つかどうかを調べるということをやっていた時代でした。いま考えると、けっこう乱暴なことをやっています。
21世紀になったいまでは、ワクチンを作るときに、もっと慎重なプロセスをふみます。ワクチンを作るには、病原体を弱くしたものを投与することが多いです。最近は新しい技術がいろいろできてきて、病原体の代わりにRNAという設計図のようなものを投与するような新しい方法もできてきています。
新型コロナウイルスワクチンでも、この技術による開発が進んでいるので、今回は、RNAワクチンが使われる可能性があるのではと思います。
住吉:RNAは物質的にはたんぱく質で、例えばどうやって病原体を作るかが書かれている設計図のようなものだそうです。そしてこのRNAを使ったRNAワクチンが、今回の新型コロナウイルスに対して採用されるかもしれないということですが、キッズにはもちろん、アダルトにも少し難しい感じのお話でしたね。詳しく知りたい方は「RNA」で検索すると、いろいろ情報が出てきそうですね。
◆ワクチンが自分たちに届くのはいつ頃?
奥:ワクチンの開発が始まっていることは確かです。ただ、ワクチンを世の中に出していくためには、まずは“安全”、次に“効果”を確認する2つのステップが必要です。
特に、効果を確認するには、たくさんの人に投与して調べる必要があります。それには1年くらいかかります。さらに、その後1年間は様子を見なければならないので、その時間を足すと、かなり長い時間がかかるのが普通です。
今回は、みんなが困っていて早くワクチンを出したいということで、みんなが協力して進めているので、いつもよりは早くなるかもしれないけれど、それでも開発の段階で1年くらいの時間がかかります。
その後、完成したとしても、多くの人が打てるように、同じものをたくさん作らなければならないので、それを実現するのに、また少し時間がかかります。
そういうことをいろいろ考えると、私たちみんながワクチンを打てるようになるのは、来年の秋とか、そういうタイミングになるのではと思います。
住吉:ワクチンが採用されるまでには、まず安全性を確認して、次に有効性を確認、さらに多くの人への有効性を確認……というたくさんの試験がいるんですね。ニュースでよく取り上げられているワクチン開発の話。一体どの段階の話なのかということを注意して聞くと、ニュースの聞き方が少し変わるかもしれないですね。
では、最後の質問です。ふくのすけくんだけじゃなくて、もしかしたら心配している方もいっぱいいるかな?
◆ワクチンの注射は痛いですか?
奥:ワクチンやいろんな注射は、中に入っている物質によって痛みが変わってくることがわかっています。つまり、ワクチンが完成してみないと、“痛さ”というのはわかりません。
ただ、もう1つわかっていることがあります。物質による痛みの違いよりも、どういう気持ちでワクチン注射を受けるのか……という気持ちの問題のほうが大きいと言われています。
“怖い”と思ってワクチンを打つと痛くなっちゃうし、“こんなの平気だよ!”と思って打つと、わりと大丈夫だったりします。ですので、先生はワクチンは痛くないと思いますよ!
住吉:ふくのすけくんの気持ちの問題も大きいということです。ちなみに、私も注射は得意ではありません。針の先を見られないので、違うほうを見て、安心するようなことを考えるようにしています。一緒に頑張ろうね!
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<番組概要>
番組名:Blue Ocean
放送日時 :毎週月~金曜9:00~11:00
パーソナリティ:住吉美紀
番組Webサイト:
http://www.tfm.co.jp/bo/