吉田美穂がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「DUNLOP presents みらい図鑑」。日本の美しい風景、地域で受け継がれる伝統、志を持って活動する人など、100年後の地球に生きる子どもたちへ繋げていきたい“ヒト・モノ・コト”を紹介しています。7月31日(土)の放送では、八女提灯(やめちょうちん)の絵師で、伝統工芸士の山口勲(やまぐち・いさお)さんに、「八女提灯」についてお話を伺いました。
和紙の産地・福岡県八女市が誇る「八女提灯」
福岡県八女市が誇る、伝統的工芸品「八女提灯(やめちょうちん)」。
江戸時代、お盆に飾る灯りとして作られたのが始まりで、先祖への供養の心とともに、長年、受け継がれてきました。
もともと、八女市は古くからの和紙の産地。さらに、竹林も多くあり、提灯に使われる素材に恵まれていたことから、この地で提灯づくりが栄えました。
八女提灯の特徴は、その美しい絵柄にあります。
絵師は、下書きをせずに、直接、筆を入れて、故人が好んだ花や風景を提灯に描いていきます。
竹の骨組みに貼った和紙の表面には、丸みや凹凸があるため、美しい筆運びで絵を描くのは、至難の業。熟練の技が必要です。
美しい絵柄が特徴の「八女提灯」
「人間の手でつくるもの、手仕事というのでしょうかね。いま、機械が本当に発達していますが、手仕事には、なにか違う大切なものがあると思うんです」と山口さん。
現在50代の山口さんは、4人いる絵師の八女提灯伝統工芸士の最年少。職人の高齢化も進み、担い手は不足していると言います。
そんななか、山口さんが一番伝えたいのは、若い人たち。歴史あるクラシックのものに関心を持ってもらいたいと考えています。
「より良いものを、若い人や子どもたちに見てもらいたいんですね。子どもたちに合ったものを見せるのではなくて、良いものを見てもらったほうがいいと思うんです。何か感じることがあると思うんですね。細やかさや繊細さなど、人間の手が描く生命感というんですかね。良いものを見せたいということですね」
八女提灯の絵師で伝統工芸士の山口勲さん
盆提灯とはいえ、お盆時期だけではなく1年を通して飾ってもらえたらうれしい。そんなふうに語る山口さん。
地域を背負う伝統工芸士として、若い世代に八女提灯の魅力を伝えながら、これからも製作に励み続けます。
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<番組概要>
番組名:DUNLOP presents みらい図鑑
放送日時:毎週土曜13:55~14:00
パーソナリティ:吉田美穂
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/miraizukan/