吉田美穂がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「DUNLOP presents みらい図鑑」。日本の美しい風景、地域で受け継がれる伝統、志を持って活動する人など、100年後の地球に生きる子どもたちへ繋げていきたい“ヒト・モノ・コト”を紹介しています。7月24日(土)の放送では、「坂利製麺所」代表の坂口利勝(さかぐち・としかつ)さんに、「坂利の手延べそうめん」についてお話を伺いました。
1984年創業の「坂利製麺所」
そうめんの発祥地と言われている奈良県。
そんな奈良の東吉野村にある山深い場所、瀧野の地で、手延べそうめんを作っている製麺所があります。
1984年創業の「坂利製麺所(さかりせいめんじょ)」。
奈良・東吉野村の風景
そうめんといえば暑い時期の定番食品ですが、ここで作られるそうめんのシーズンは冬。
東吉野は林業が盛んな地域ですが、標高が高いため、雪深くなる季節には山での仕事がなくなってしまいます。
そんな冬の収入源として、ひとりの主婦が「手延べそうめん」を作り始めたのが、「坂利製麺所」のはじまりです。
「地域の人たちがその場所に住み続けるために、収入を得る手段として立ち上げたのが、そうめんの工場だったんです。つまり、まわりのみんなのために作ったそうめん工場なんです」と坂口さん。
冬場の仕事を確保することで、安定した収入を得て、過疎化への歯止めにつなげたい。
坂口さんのお母さんは、保管がきくそうめんなら、冬に作っておいて夏に売ることができると考えました。
さらに、せっかく作るのであれば、子どもにも自信を持って食べさせたい。そんな思いから、原料は100%国産小麦を使用しています。
100%国産小麦を使用した「坂利の手延べそうめん」
坂口さんは「いまは、理屈とかは関係なく、食べて美味しいと感じてもらって、大人になってから、“ああ、そんなそうめんだったんだな”と気づいてもらえたらうれしいですね」と語ります。
「坂利の手延べそうめん」は、茹でると絹のようにつややかで、しなやかなコシがあり、のど越しは抜群。
その美味しさが評判を呼んで、坂利製麺所のそうめんづくりは、いまでは地域に人を招く大事な産業になっています。
美味しさが評判を呼んでいる坂利製麺所のそうめん
坂口さんは、将来を次のように見据えています。
「何十年単位で、私の何世代も先のことを考えて、自分にできることをやっていきたいと思っています」
かつて、村の過疎化を食い止めるために生まれたそうめんは、地域のブランドに成長し、“人を呼ぶ”地場産業へと発展。地域活性化の大事な役割を担っています。
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<番組概要>
番組名:DUNLOP presents みらい図鑑
放送日時:毎週土曜13:55~14:00
パーソナリティ:吉田美穂
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/miraizukan/