住吉美紀、かとうかず子さん
住吉美紀がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの生ワイド番組「Blue Ocean」。“頑張るプロフェッショナルの女性の素顔に迫る”をテーマに、各界で活躍されている素敵な女性をゲストに迎えて話を伺うコーナー「Blue Ocean Professional supported by あきゅらいず」。7月26日(月)放送のゲストは、女優・かとうかず子さん。今回の放送では、コロナ禍で変化した撮影現場や、舞台を楽しめるようになった転機について語ってくれました。
かとうかず子さん
大学在学中に劇作家・つかこうへいさんの舞台「広島に原爆を落とす日」で女優デビュー。その後も「山河燃ゆ」(NHK総合)や「1リットルの涙」(フジテレビ系)など、数々のドラマ・映画で活躍しています。
◆舞台・番組での感染対策は?
住吉:この1年半、コロナ禍によっていろんなことが変わり、対応することが増えたと思います。かとうさんはどんな影響を受けましたか?
かとう:たとえば去年出演した舞台では「劇場に入るときは絶対に楽屋から」「外食禁止」「稽古中はフェイスシールド着用」でした。今出演している「ライオンのおやつ」(NHK BSプレミアム)でも、みんなフェイスシールドをしています。スタッフさんがすごく考えてくださって、出演者分のフェイスシールドケースを用意してくれたんです。(感染対策で)フェイスシールドは本人しか触ってはいけないので、撮影中は毎回そのケースに入れるんです。役者と一緒にケースも移動ができるように下に滑車が付いているんですよ。
住吉:ええー!
かとう:あれは天才的なアイデアだなと思いました。
◆舞台の楽しさを見出せた出来事
住吉:かとうさんのこれまでのキャリアのなかで、ターニングポイントはどこでしたか?
かとう:大学生の頃に出演したつかこうへいさんの舞台が、女優として最初の作品でした。つかこうへいさんの舞台には台本というものがなくて、説明が口頭だけなんです。その人自身を舞台に立たせる形。
住吉:へええ!
かとう:その次にテレビドラマに出たときは台本が分厚くて(笑)。舞台のときとは違って書かれたセリフを言うので、“これはどうやって言うのかしら? 私だったら言わないんだけど……”っていう状況のなかで、ずっと仕事をしていたんです。それからしばらくは、“舞台が怖いな……”と思うようになりました。それまでの舞台は、つかさんに指導されたとおりにやっていたので、自分で演じることが急に怖くなってしまったんです。阪神淡路大震災の翌年、ひょうご舞台芸術がチャリティーで制作した舞台「おやすみデズデモーナ おはようジュリエット」の演出家のおかげで、「舞台って面白いんだ」と思えるようになったんです。
住吉:1996年の作品ですね。
かとう:グレッグ・デールというアメリカ人が演出家で、彼が初日にくれたものは、“「40の感情表現」をプリントアウトした紙”だったんです。「笑いながら甘える」とか「怒りながら委ねる」とか、いろんな感情表現が紙に書かれていました。
「誰が一番(表現が)上手だと思いますか?」と聞かれたのですが、答えは子どもでした。小さい子を見ていると、泣いているけど要求していたり、怒っているけど甘えたりするんです。子どもは表現の天才ですよ。台本に書かれている感情は、小さい子どもたちがやっていることを抑えているか、出しているものなんです。そのとき、“子どもは表現のお手本なんだ”って思いました。それがすごく面白くって。台本に書かれているいろんな表現方法は、グレッグ・デールに教えてもらいました。「おやすみデズデモーナ おはようジュリエット」に出てからは、与えられている役をやるというよりも、“もっとこうかもしれない”と考えるようになりましたね。
住吉:その作品がきっかけで、舞台の面白さに気付けたわけですね。もちろん、ドラマや映画の演技にも影響がありましたよね?
かとう:はい。セリフだけを言うのではなくて、“本当は悲しいけれど、笑っているんだろうな”みたいなことを考えます。「ライオンのおやつ」は、まさにそうやって考える作品です。本当の気持ちを言うときや本当に泣いているときって、人がいないときなんですよ。
住吉:大人ってそうですよね。
かとう:前後の話を想像して、さめざめと泣ける気持ちになれました。「40の感情表現」は、私にとってすごくありがたい教材でしたね。
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かとうさんは1985年の初演以来、日本全国で公演されている朗読劇「この子たちの夏 1945・ヒロシマ ナガサキ」に出演されます。東京での公演は8月7日(土)と8日(日)です。
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聴取期限 2021年8月3日(火)AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:Blue Ocean
放送日時:毎週月~金曜9:00~11:00
パーソナリティ:住吉美紀
番組Webサイト:
http://www.tfm.co.jp/bo/
特設サイト:
https://www.tfm.co.jp/bo/aky/