ラジオの中の学校、TOKYO FM「SCHOOL OF LOCK!」。2月3日(木)の放送では、『夢の職業シリーズ~漫画編集者編~』をお届けしました。少女まんが雑誌『りぼん』の編集長、相田聡一さんをゲストに迎え、編集者になろうと思ったきっかけや編集者になるために必要なことなどをインタビューしました。
相田聡一さんは、『週刊少年ジャンプ』の編集者として、入社2年目で『ボボボーボ・ボーボボ』、6年目で『家庭教師ヒットマンREBORN!』、10年目で『バクマン。』を担当し、2018年に『りぼん』の編集長に就任。番組では、パーソナリティのこもり校長や、編集者を目指す10代リスナーの質問に答えてもらいました。
――こもり校長の質問
「漫画の編集者になろうと思ったきっかけは何だったのですか?」
相田:直接的なきっかけはないんですけど、小学校のころから『ジャンプ』が大好きで、漫画をすごく読んでいた子どもだったんです。趣味をいかした仕事に就きたいと漠然と思っていたなかで、「編集者だったら、頑張ればなれるんじゃないかな」とどこかで思い始めたのがありまして……。
僕が高校生くらいのときに、他社さんなんですけど『編集王』という漫画が始まりまして、僕が編集者に思い描いていた夢みたいなものが、その漫画に詰まっていたんです。そこで、よりやりたくなったな、というのがきっかけというか。
――リスナーの質問
『漫画編集者って、具体的にどんなお仕事をされるのですか?』
相田:もちろん漫画は漫画家さんが描かれるんですけど、漫画を1つの作品として考えたときに……映画だったら監督さんがいたり、プロデューサーさんが映画をどう大きくしようかと考えたりしますよね。そういったことを……漫画家さんと一緒に内容を考えるディレクターさん的なことをしたり、もっと大きく面白く、売れるためにはどうしようと考えるプロデューサーさん的な考え方でサポートをしたり。
もう1つは、単純に漫画家さんの担当としてのケアと言いますか、面白い漫画を描くために……マネージャーとは違うかもしれないですけど、いかに面白い漫画を気持ちよく描いていただくかを(メンタル面も含め)サポートする、ということもありますね。
――こもり校長の質問
「『週間少年ジャンプ』から『りぼん』に異動されて、感じる違いとか始められたこととかはありますか?」
相田:『ジャンプ』も『りぼん』も、メインターゲットは小学生、中学生なので、似ているところも多いと思ったのですが、『ジャンプ』は大人になっても読み続けている方が多いという印象があって、『りぼん』は本当に小中学生の方に刺さっている……卒業していく雑誌なんですね。それはもちろんしょうがないんですけど、逆に小学生しか読まない漫画と思われている感じがちょっと悔しくて。
『りぼん』には面白い漫画がたくさんあって、大人の方もずっと読み続けられる作品を作ってきていたんですけど、そこが伝わり切れていない感じがちょっとだけあって。『りぼん』の作品だからといって、子ども向けだけではないよ、というか……もちろん子どもにいちばん読んでほしいんですけど、大人の人も一緒に楽しめるよ、というのはアピールしたいですね。
例えば、『さよならミニスカート』という作品が、ちょうど僕が編集長になるタイミングで現場から企画が上がってきて、連載を始めることになったんですけど……。この作品はいろんな問題提起を持っていたり深かったりで、『りぼん』読者にすごく読んでほしい作品ではありながら、「大人の人が読んでもすごい刺さるんじゃないか?」と思ったんです。そこで『りぼん』読者の方はもちろん、『りぼん』を読んだことがない、昔読んでいたという人にもちゃんと伝わるようにと、別の部署とも連携して宣伝を企んでみたりとかしましたね。
――高3・女性リスナーが直接質問
『私の夢はジャンプの編集者になることです。編集者になる前に、いまからできることは何かありますか?』
相田:まずは、いろんなことに興味を持ってほしいです。なんでもいいんですけど、自分が好きなものとかを徹底的に好きになってほしくて。その好きなものに対して“なぜ好きなのか?”とか、そのジャンルの中でも“特に好きなもの”とか、自分の感情を動かされたものが何か、というのをわかっておくのがすごくよくて。
「これをやっておけ!」というのはないんですけど、自分の好きなことに対してちゃんと向き合っておくのがいいかな、とすごく思います。
もちろん漫画が好きなのはすごく大事なことで、もし編集者になれたとして漫画家さんと話すときに、こちらの漫画愛が伝わると漫画家さんも嬉しいじゃないですか。「漫画を好きな人が一緒に作ってくれる……!」という気持ちになるし。
ただ“どんな漫画を作りたいか?”というときに、自分が好きなものを漫画にしていくとか、漫画家さんと一緒に共通で好きなものを探していくとか……というのも大事なので、“漫画が好き”にプラスアルファがあると、さらにいいかなと思いますね。
――『編集者として漫画を読むときに、どういう目線で読んでいますか?』
相田:そうですね……僕も学生のときから編集者になりたかったんですけど、もともとは好きな漫画であっても、毎週の連載のなかで「この回はすごい面白いな」とか「この回はちょっと物足りないな」とか、正直な感想を持つじゃないですか。そのなかで、おこがましいんですけど「僕だったらこうしたな」、「こうしてくれたら、もっと面白くなったのにな」、「こうしてほしかったな」とか……そういうのを自然に考えていたと思うんですよね。
もちろん素直に面白い! と思うもの大事なんですけど、いい意味で自分の意見というか、自分だったらどうしてみようかな、とか……作品に対しては失礼かもしれないですけど。そのくらいの気持ちで読んで、もっと面白くしたいとか、私だったらこうしたかったな、というのを、好きな漫画に対して向き合ってみてもいいかなと思います。僕は昔から、そういう感じがありましたね。
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聴取期限 2022年2月11日(金)AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:SCHOOL OF LOCK!
パーソナリティ:こもり校長、ぺえ教頭
放送日時:月~木曜 22:00~23:55/金曜 22:00~22:55
番組Webサイト ⇒
https://www.tfm.co.jp/lock/