吉田美穂がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「DUNLOP presents みらい図鑑」。日本の美しい風景、地域で受け継がれる伝統、志を持って活動する人など、100年後の地球に生きる子どもたちへ繋げていきたい“ヒト・モノ・コト”を紹介しています。5月8日(土)の放送では、「尾山製材」代表の尾山嘉彦(おやま・よしひこ)さんに、「虫喰い楢材(ならざい)によるプロダクト」についてお話を伺いました。
虫喰い楢材から作られた木工製品の数々
虫に喰われて、穴が空いた木材。その多くは使われることもなく、山に放置されたままになっているのが現状です。
そんな木材のなかから、あえて虫喰いの木を使って、さまざまな木工製品を作っている会社が、富山県・朝日町にあります。
創業70年を超える「尾山製材」は、富山に暮らすプロダクトデザイナーと一緒に、ブランド「RetRe(リツリ)」を立ち上げました。
富山県・朝日町にある「尾山製材」
この会社が虫喰いの木に着目したのは、地域を悩ませていた害虫問題が背景にありました。
健康な楢の木を喰い荒らし、穴に卵を産みつけ、ふ化した幼虫とともに幹の内部で越冬することで、楢の木が台無しになってしまうのです。
長年悩まされてきた害虫問題
使い物にならなくなった、大量の楢の木を目の当たりにしたことで、地元の里山再生を目指そうとスタートさせたのが「RetRe(リツリ)」でした。
ラインナップは、フラワーベースや掛け時計、けん玉、フォトフレームなど。どれもが、虫喰いの楢材生まれの1点物です。
「世の中で見たことのないような模様や表情が、材面に走るところが面白い部分だと思っています。それは木が朽ちていく過程で、菌によっておかされる現象から生まれる模様でもあるんです」と尾山さん。
虫喰いの楢材生まれならではの風合い
地域に広がるのは広葉樹。国産の広葉樹は、山の中の環境によっていろんな育ち方をするため、まっすぐではない、さまざまなタイプの木目が生まれます。
「尾山製材」で使う虫喰いの楢材は、そのうちの1つ「墨流し杢(スポルテッドウッド)」。材面に墨が流れたような面白い杢目が特徴です。
墨が流れたようなに杢目が特徴
「木の表情を面白いと感じてもらい、その木に興味を持ってもらえたらと思っています」と語る尾山さん。“独特の柄”を味方につけた商品展開で、木そのものへの関心をはかろうと考えています。
これまで、使えないと考えられてきた虫喰いの楢材に、新たな命が吹き込まれた「RetRe」のプロダクト。1つとして同じ模様がない自然の個性を、じっくり眺めるのも楽しそうですね。
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聴取期限 2021年5月16日(日)AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:DUNLOP presents みらい図鑑
放送日時:毎週土曜13:55~14:00
パーソナリティ:吉田美穂
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/miraizukan/