放送作家の高須光聖が、世の中をもっと面白くするためにゲストと空想し、勝手に企画を提案していくTOKYO FMの番組「空想メディア」。7月24日、31日(日)の放送では、お笑いライブ・イベントの制作会社「K-PRO」代表・児島気奈さんが登場! 今回は、ライブでの失敗談などを振り返った、31日放送の模様をお届けします。
(左から)高須光聖、児島気奈さん
◆数多くの芸人たちを送り出してきた
高須:今まで何組ぐらいの芸人さんを世に送り出していきましたか?
児島:どれぐらいなんですかね(笑)? 1つのライブで10~15組くらい出てもらっていて、それを1日3公演やっています。去年とかは800本ぐらいライブをやったんですよ(笑)。
高須:すごいねえ!
児島:そう思うと、相当な芸人さんに出ていただいています。ただ、そのなかで突出して面白くて、名前が売れていく芸人さんは数組ですね。いろんな芸人さんがいますけども、苦労されている方がほとんどです。
高須:「浅草キッド」のように売れていく人もいれば、この業界を去っていく人もいるわけじゃないですか。コンビが変わったりしてね。
児島:そうですね。
高須:順風満帆に売れていく芸人って本当にひと握りですよね。業界を去っていく人を見ると、どういったことを思いますか?
児島:私が芸人さんから「解散しようと思っています」と相談されたときは、絶対に1回は止めるようにしています。私は面白いと思っているから(彼らに)出てもらっているし、面白いから顔と名前を覚えているので。
高須:「少なくとも、私はファンですよ」ってことよね。
児島:そうです! それだけは絶対に伝えようと思っています。だけど、(お笑いは)芸人さんが覚悟を持って始められた世界だとも思っていますが、“お金にならない”ということで辞めていく方は多いです。本当に面白いと思うことをやりきって辞めていくわけではないので、そこは私にもどうしようもできない部分ですから、やっぱりグッときますね。
◆芸人から言われた忘れられない言葉
高須:“やっちゃったなぁ”って思ったライブはありますか?
児島:新ネタを披露するライブを、芸人さんから依頼されて企画しておこなったのに、音響のミスをしてしまったことがあります。
高須:ほう!
児島:「芸人さんが新ネタをやります」って、すごく力を入れていたライブだったのに、最後の最後でミスをしてしまいました。さらに、(出演していた)芸人さんから「伸びるスタッフさんになると思うから、うまくフォローしてあげてください」って言われちゃって。(裏方の失敗を)芸人さんに全部フォローや尻拭いをさせてしまったライブのときは、反省しきりでした。いまだに芸人さんに学ばせていただくところはすごくあります。
高須:芸人さんから言われた言葉で一番グッときたのは何でしたか?
児島:解散ライブを終えた芸人さんの楽屋挨拶に行ったら、「『K-PRO』がなかったら俺らはもっと早くに解散してたよ」って言われたことがあるんですね。
高須:なるほど。
児島:ただそれが、自分のなかで良いことなのか悪いことなのかがわからないんですよね。もっと早くに辞めて次の道に進んでいれば違う未来があったかもしれないのに、私がしつこく「出てください」って言い続けていたから“ただ延命させちゃっただけなのかな”って。どっちの意味なんだろうなって考えてしまいます。
高須:“踏ん切り”って自分のなかで決めるしかないじゃないですか。それで、楽しく生きるには夢を見ていたほうがいいですよね? 夢を見られるだけの時間がそこまであったっていうことは、やっぱり幸せだったんですよ。“ひょっとしたら自分たちも……”って思えるきっかけがその場にあり続けたということは、うれしい瞬間やったと思いますよ。
児島:そう思えたら、心のつかえが取れる気がします。
◆芸人に対するリスペクトを忘れない
高須:仕事をする上でのマイルールは何ですか?
児島:心がけているのは芸人さんに対するリスペクトです。(ルールを)決めておかないと若手の芸人さんに上から目線になったり、ウケなかった芸人さんに対して冷たい目線を送ってしまうことが起こりえるので。
私は“舞台に立ってお客さんの笑いを取る芸人さんって、何よりもすごいんだぞ!”って思っています。スタッフに血気盛んな子がいても“舞台に立っている人がどれだけすごいか”っていうことを最初にちゃんと教えるようにしています。
高須:なるほどね。お笑いが大好きなんですね!
児島:はい! “お笑いが好き”っていうのを一生言い続けられるように、自分も頑張ろうと思っています。
<番組概要>
番組名:空想メディア
放送日時:毎週日曜 25:00~25:30
パーソナリティ:高須光聖
番組公式Facebook:
https://www.facebook.com/QUUSOOMEDIA/