藤木直人、高見侑里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「SPORTS BEAT supported by TOYOTA」。4月16日(土)の放送では、スピードスケートの髙木美帆(たかぎ・みほ)選手をゲストに迎えて、お届けしました。
(左から)藤木直人、髙木美帆さん、高見侑里
髙木選手は1994年生まれ、北海道中川郡幕別町出身。5歳でスケートを始めると、中学3年生のときにバンクーバーオリンピック2010に出場。ソチオリンピック2014は惜しくも出場を逃すも、平昌オリンピック2018では個人で銀と銅2つのメダル、さらに女子団体パシュートでは姉の菜那さんとともに金メダルを獲得。
そして、今年2月に開催された北京2022オリンピックでは、1,500m、パシュート、500mで銀メダルを獲得し、1,000mでは五輪新記録で金メダルに輝きました。通算7個目のメダル獲得は、夏冬の日本女子最多記録を更新しました。
◆北京五輪で4個のメダルを獲得!
藤木:北京大会で5種目に出ようと決めたのはいつ頃だったんですか?
髙木:最終的に決めたのは、年末にあったオリンピック選考会で最後500mの切符も手にできたときに5種目出ることを決めました。
藤木:もともと2018年の世界オールラウンドスピードスケート選手権大会で金メダルを獲得されていますが、そのときは4種目ですか?
髙木:そうですね。オールラウンド選手権は4種目(女子が500m、1,500m、3,000m、5,000m)の総合を競う大会なので、1種目ずつ争う大会とはいろいろ違うところがあります。特にスケートがメジャーなヨーロッパでは、オールラウンド選手権で優勝することが1つの大きな勲章というか、選手にとっての憧れ、目指すゴールになっていると思います。
藤木:やっぱり、どれか1つに特化したほうが(スピードが)速くなりそうな気がするじゃないですか。でもそうではなく、すべてに挑戦して、すべて結果を出すというのがすごく格好いいなと。
髙木:私のなかでは“500mが速くなりたい”と思って500mに少し特化した時期もあったんですけど、逆にどの種目も伸びなくなってしまったんです。だから、“平均的に”というか、全部やったほうが私のスケートは速くなるのではないかなと感じたのも大きいですね。
藤木:いろいろなトレーニングを幅広くやることで、全体的なパフォーマンスが上がっていくこともあると。
髙木:はい、そう思っています。私にはすごく特化した能力がないんです。“スプリントがすごく速い”とか“体力が異次元にある”みたいなタイプではないんですよ。
藤木:いやいや、金メダルを獲っているじゃないですか(笑)!
髙木:特に高校生の頃とかは、「ある程度はできるんだけど、全日本ではなかなか勝てない」という悩みを抱えていて。大体はできるんだから、だったら「“大体できる”のレベルを全部上げよう」と思い始めたのが、成長したきっかけの1つにはなりました。
◆大きかったヨハンコーチの存在
藤木:そこまでには、やはり相当な練習量があったのだと思います。
髙木:練習量にも限界があるので、練習の質だったり、それをコントロールしてくれるコーチ陣の支えも大きかったと思います。
藤木:2年以上、世界はコロナ禍で大変なことになっていますけど、ヨハン・デビットコーチがオリンピック開幕直前に新型コロナウイルス陽性ということで合流が遅れました。やはりこれは大きかったですか?
髙木:そうですね。ヨハンコーチが日本に来られてから、大会ではずっと離れたことがなかったので。今だから話せるんですけど、少なからず(コーチが)いないことに対して心の動揺はあったと思います。逆に“その分、自分が強くいなきゃいけない”とも思ってはいたんですけど。
藤木:結局、合流したのが500mのレース直前ぐらいのタイミングでしたよね。久しぶりに会えたときはホッとしましたか?
髙木:500mのレースが直前に迫っていたので、ホッとする余裕はなかったです(笑)。それでも、氷上でウォーミングアップをしているギリギリの時間でヨハンコーチが間に合って(会場入りして)、会話をしながら500mに向かっていくことができたので、そこは大きかったなと思います。
藤木:その500mでは、素晴らしい滑りで銀メダルを獲得されました。500mの滑走順がわりと早くて面白いなと思ったのですが。そこで良いタイムが出せたのは、ほかの選手たちにとってプレッシャーというか、良い効果があったのかなと。
髙木:少なからずあったと思います。私が意図をしていたわけではないんですけど、前半の組で滑れたことと、そのときの同走者がすごく速い選手だったこと、そして私がアウト(コース)スタートだったということも踏まえて、いろいろ幸運な順番を引いたなとは思っています。
髙木美帆さん
◆“オリンピック”“金メダル”の魅力
藤木:最後に、未来のオリンピックを目指すアスリートに、オリンピックと金メダルの魅力を教えてください。
髙木:最初にオリンピックについてですが、私のなかでは、スケートやオリンピックには、自分のいろいろなものを懸けるだけの価値があると思っています。“背負わされている”“やらされている”とかではなくて、自分で“そこに向かっていきたい!”と思えるぐらいの刺激ややりがいがあり、本気になれる場所だなと感じていて、なおかつ、それを周りと共有できるところがある、というのを北京大会を通じて感じました。“周りと一緒に向かっていける”というのも、オリンピックのまた大きな魅力の1つだなと感じています。
藤木:はい。
髙木:“金メダルの魅力”というのは、すごく難しいです。金メダルを獲っても、そこで大きく何かが変わったり、自分の今後の人生が保障されたりするわけではないと思っています。それこそ、自分のこれからの行動が、金メダルの価値を左右するんだろうなと思っているので、逆に“ちゃんとしよう”という責任感が大きくなります。
もしかすると、何年後かに金メダルの価値、魅力というものを改めて感じることもあるのかもしれませんね。今は純粋に、自分が怒涛の2週間を最後まで戦い切ったうえで、出し切れたことに対する結果が形として残ったなと感じています。
次回4月23日(土)の放送も、引き続き髙木美帆さんをゲストに迎え、お届けします。どうぞお楽しみに!
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聴取期限 2022年4月24日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:SPORTS BEAT supported by TOYOTA
放送日時:毎週土曜 10:00~10:50
パーソナリティ:藤木直人、高見侑里
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/beat/