モデル・タレントとして活躍するユージと、フリーアナウンサーの吉田明世がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの朝の情報番組「ONE MORNING」(毎週月曜~金曜 06:00~09:00)。7月13日(水)放送のコーナー「リポビタンD TREND NET」のテーマは「宅配便の再配達率、再び上昇」。学習院大学 非常勤講師・塚越健司さんに解説していただきました。
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宅配便の再配達率が再び上昇し、人手不足に悩む宅配業界の負担が増しています。国土交通省によると、今年4月の再配達率は前年の同月に比べて0.5ポイント増加し、11.7%でした。
吉田:宅配便の再配達率の上昇、これにはどのような背景があるのでしょうか?
塚越:国土交通省は毎年4月、10月の年2回、サンプル調査をおこなっています。これはトラックドライバーの人手不足問題と、その対策としての宅配ロッカー・置き配の効果を調べるためのものです。
今回、再配達率が増加した背景は、今はまたコロナの新規感染者数が増えていますが、コロナの落ち着きと共にリモートワークが減少し、外出が増えたためと推測されます。実際、会社通勤の多い都市部とその近郊部では再配達率が増えて、地方では減少しています。ただし、コロナ以前の再配達率は15%程度と高く、2020年4月はステイホーム率が高いことが影響して8.5%でした。いずれにせよ、コロナ以降、再配達率が下がっているのは事実です。
吉田:再配達が社会問題になっていることから、「置き配」や「宅配ロッカー」など、再配達を減らす取り組みは、すでにおこなわれていますよね?
塚越:置き配については、指定場所に置かれていなかったり、(悪天候時に)荷物が濡れるといった声もあり、ある調査では置き配に不安を感じる人が半数という回答もありました。
宅配ロッカーは、不安の度合いは下がりますが、ロッカーの数に限界があったりと、さらなる普及には課題もあります。いずれにせよ、不安解消の対応策として、例えば、業者が置き配したときの写真を撮影し、データを残すことでトラブル要因を減少させる試みなどがあります。
また、オートロック付きのマンションであっても、配達員に1回限りで表示されるパスワードを利用し、マンション内で置き配ができる仕組みなどが、一部の業者で始まっています。さらに、同様の仕組みでマイカーの中に商品を置き配するサービスの実証実験が始まっています。
ユージ:国土交通省は、宅配便の再配達率を2025年度までに7.5%程度に引き下げる計画を掲げています。再配達率を今よりも下げるためには、どのような対策が必要だと思われますか?
塚越:再配達率が20%になると、年間9万人のドライバーが余分に必要となり、経営的にも厳しく、物流もパンクします。再配達率を下げるためには、技術的な工夫が必要な一方、再配達が「無料」で「何度でも」という常識を変える必要があります。
一時期、通販サイトの「送料無料」を止めようという動きがありましたが、なんでも無料のサービス精神は、日本の課題である生産性向上にとってマイナスです。安くて無料は大事なことですが、有料でも良いサービスの開発を伸ばす方向で、競争が生まれるような環境を作るためには、我々自身の意識の改革も必要だと思います。
ユージ:塚越さんは、再配達を避けるために、何か心がけていることはありますか?
塚越:昨今は、さまざまな業者のサービスで、事前に(個人情報を)登録するとメールやLINEが届き、配達日時の変更などができます。このようなサービスを利用するといいと思います。
ユージ:ドライバーさんの負担も減らせますし、自分にとって都合の良い時間帯を気軽に確認・変更ができますからね。
塚越:誰にとっても良いことだと思いますので、そのような情報をいろいろチェックしていただき、意識の面でも考えていただければと思います。
<今日のユジコメ>
再配達率が上がると問題になってくるのは、まずは配達員・ドライバーの不足。また、配達員1人が担当する物流量が多すぎるなどの問題が挙げられます。これを解決するためのアイデアとして、僕がいいなぁと思ったのは「再配達の有料化」です。一例ですが、今後は料金設定に「配達料だけ」とか「再配達料を含んでいます」とかを反映させると意識が変わるのかなと思いました。
<番組概要>
番組名:ONE MORNING
放送日時:毎週月~金曜6:00~9:00
パーソナリティ:ユージ、吉田明世
番組Webサイト
https://www.tfm.co.jp/one/