手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMの番組「防災FRONT LINE」。7月16日(土)の放送では、あらためて確認しておきたい「局地的な大雨への備え」について取り上げました。
※写真はイメージです
7月12日(火)夕方から、埼玉県西部を中心に記録的な大雨となりました。鳩山町や東松山市などで1時間におよそ100~110ミリの猛烈な雨が降り続き、住宅の浸水や土砂災害が発生。水が堤防を越えた東松山市の九十九川に加えて、坂戸市の葛川、飯盛川でも水があふれる“溢水”が確認されました。この大雨によるけが人などはいませんでしたが、家屋の床上・床下浸水や土砂崩れで住宅6棟が被害に遭いました。
このような雨について、気象庁・予報課予報官の池田徹(いけだ・とおる)さんは、「80ミリ以上の年間発生数の変動を確認した資料では、例えば、2012年~2021年の10年間の発生数は、1976年~1985年に発生した回数と比べると1.7倍ほど増加しています」と解説。“1.7倍増”という数字からも、水害のリスクが年々高まっていることがわかります。また、同じ雨量でも日中よりも夜に降るほうが、危険度が増します。
このような状況のときに役に立つのが、気象庁が提供している
「キキクル(危険度分布)」です。キキクルは、大雨などによる災害の危険度を5段階に色分けし、地図上にリアルタイムで表示してくれるサービスです。気象庁のWebサイトで全国各地の危険度を簡単に把握することができます。
危険度を確認できるのは、土砂災害、浸水害、洪水災害の3つの大雨による災害です。気象レーダーで雨量をチェックしていれば大丈夫だと思っている方もいるかもしれませんが、土砂災害、浸水害、洪水は、雨が降っていないところでも発生する可能性があります。例えば、川の上流で集中豪雨があった場合、雨が降っていない下流で洪水が起きることもあります。
例えば、大雨警報や洪水警報が発令されているときなどに「キキクル(危険度分布)」にアクセスすると、地図上には、
・クリーム色……今後の情報に留意
・黄色……注意
・赤……警戒
・うす紫……非常に危険
・濃い紫……極めて危険
と色が表示され、お住いの地域でどれくらい危険度が高まっているかが確認できます。
しかし、キキクルはリアルタイムで危険を把握するのに役立つものの、それだけではいざというときに対応しきれません。改めてお住いの自治体のWebサイトなどで、防災マップやハザードマップをチェックし、土砂災害や洪水が起こりやすい場所を事前に把握しておきましょう。
そして、警報が発令されたら、自治体の情報とともに気象庁が提供している
「キキクル(危険度分布)」をチェックする習慣を身に付けましょう。
<番組概要>
番組名:防災FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25~8:30
パーソナリティ:手島千尋
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/bousai/