吉田美穂がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「DUNLOP presents みらい図鑑」。日本の美しい風景、地域で受け継がれる伝統、志を持って活動する人など、100年後の地球に生きる子どもたちへ繋げていきたい“ヒト・モノ・コト”を紹介しています。3月13日(土)の放送では、「有限会社かんずり」三代目の代表・東條昭人(とうじょう・あきひと)さんに、「かんずり」についてお話を伺いました。
かんずりの味の決め手となる“雪さらし”
新潟県妙高市に古くから伝わる、伝統的な発酵調味料「かんずり」。
唐辛子を主原料に、雪深い妙高市ならではの気候を活かした製法で、昔から各家庭でつくられていた保存食です。しかし、時代の変化とともに自家製をつくる人はいなくなりました。
“地域の大切な食文化を未来へ伝えていきたい”
そんな思いで生まれた会社が、有限会社かんずり。自社と妙高市の契約農家で唐辛子を栽培し、米糀、ユズ、海水塩を使って、かんずりの商品化を手がけています。
妙高市の伝統を受け継ぐ有限会社かんずり
地域ならではの製法について、「唐辛子、そして麹を合わせて発酵させるという文化は、本当にこの辺りの地域だけだと思います。最初に味を決めるのが、雪国ならではの“雪さらし”という工程です。夏場に収穫した唐辛子を、塩漬けしてアク抜きをするんですが、そのツユに浸かっている唐辛子を雪の上に撒くというのが、雪さらしです」と東條さん。
かんずりの味の決め手となる雪さらしには、こんな効果があると東條さんは語ります。
「雪がスポンジ代わりになって、唐辛子の雑味をすべて吸い込んでくれるので、丸みのある味になっていくんですね。今年、雪さらしをした唐辛子は、これから3年間の熟成・発酵を経て、みなさんの手元に届きます」
伝統的な発酵調味料「かんずり」
真っ赤なペースト状で、程よい辛さが魅力のかんずり。冬場は鍋やおでんに、夏場は肉や魚のスタミナ料理などに、いろいろなメニューの引き立て役になる万能調味料です。
かんずりの原料・唐辛子
世界でも珍しいこの唐辛子の発酵食品を、今後は世界に向けて発信したいという東條さん。
じっくり時間をかけてつくられる雪国の伝統の味。海を越えて、世界の料理に活躍する日がくるのが待ち遠しいですね。
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<番組概要>
番組名:DUNLOP presents みらい図鑑
放送日時:毎週土曜13:55~14:00
パーソナリティ:吉田美穂
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/miraizukan/