放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」。7月24日(日)の放送では、浄土真宗本願寺派の僧侶・江田智昭さんをゲストに迎えて、お届けしました。
(左から)小山薫堂、江田智昭さん、宇賀なつみ
江田さんは、1976年生まれ、福岡県出身。2019年9月には、お寺の門前に掲げられた掲示板の言葉をセレクトした著書「お寺の掲示板」(新潮社)を発表しており、その着眼点に小山は「これ、めっちゃ面白いです! 説得力があるというか、心に刺さるというか、笑ってしまえるというか」と感心しきり。
2021年9月には、シリーズ第2弾となる「お寺の掲示板 諸法無我」(新潮社)も発売されて、好評を博しています。
宇賀から「なぜこのような本を作ろうと思ったのか?」と問われると、江田さんは「小さい頃から、お寺の掲示板の一言を読むのがけっこう好きだったんです。そのお寺のご住職のキャラクターやセンスみたいなものがすごく凝縮されているので、昔から注目していた」と答えます。
そうした思いもあって、お寺の掲示板の一言の写真を撮って、SNSに投稿してもらおうという企画「輝け!お寺の掲示板大賞」を2018年に立ち上げ、寄せられた作品のなかから厳選したものが、1冊の本になりました。
江田さんいわく、大体のお寺では、掲示板の一言を月に1回ぐらいのペースで貼り替えているものの、多くの住職はどういう言葉を書くべきか毎回悩んでいるそう。
そんななか、「お寺の掲示板」が発売されたことで、「こういう本が出たことで『逆にちょっとありがたい』というか、感謝されることはありますね」と反響ぶりを語ります。
このような掲示板を使った布教活動は、昔から“掲示伝道”と言われていて、少なくとも100年以上の歴史があるそうです。しかし、「そこにルールはまったく存在しておりませんので、芸能人の言葉であるとか、いろいろな言葉が入っている感じですね」と説明します。
ユニークなものから心に刺さるものまで、さまざまな言葉が掲載されているなかでも、江田さんが一番のお気に入りとして挙げた言葉は、「のぞみはありませんが、ひかりはあります 新幹線の駅員さん」。
この言葉について、「心理学者の河合隼雄(かわい・はやお)さんという方が、終電が近かったんですかね……駅員さんから『のぞみは走っていないですが、ひかりならありますよ』と言われたときに、その言葉に感銘を受けて、いろいろな本でご紹介されているんですね」と解説。
この言葉を仏教的に解釈すると、「私たちが望みや希望を失ったとしても、仏様の光、仏様の知恵とか慈悲を表す光というのは、常に(私たちを)照らしていますよ、と解釈することができるんですね。ですから、けっこう深い言葉だと思いますね」とお気に入りである理由について語ります。
「お寺の掲示板 諸法無我」(新潮社)
江田さんは、ダイヤモンド社によるビジネス情報サイト「ダイヤモンド・オンライン」で、“「お寺の掲示板」の深~いお言葉”と題した連載を抱えており、そこでは、「輝け!お寺の掲示板大賞」の応募作を紹介しつつ、その言葉の持つ仏教的な意味などを解説しています。
そのなかで、「置かれた場所で咲けないときは 逃げてもいいよ 咲けるところへ」という言葉を紹介したところ、とても大きな反響があったそうで、「いま、不安な思いを抱えている方がそれだけ多いという表れであることにも驚きました。もっとやさしい言葉が求められている時代なのかな、ということを感じますね」と実感を語ります。
ちなみに「輝け!お寺の掲示板大賞」は2018年以降、毎年開催されており、江田さんは「昨年は約3ヵ月の応募期間のなかで、2,887作品も集まりました。最初の年が700作品でしたから、この4年間で4倍に増えて年々増えております」と手応えを感じているようでした。なお、今年も7月1日(金)からエントリーが開始となっており、10月10日(月)23:59まで応募を受け付けています。
次回7月31日(日)の放送も、どうぞお楽しみに!
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聴取期限 2022年8月1日(月) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY’S POST
放送日時:毎週日曜 15:00~15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/post/