青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMの番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。8月7日(日)の放送では、内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局の山下智也(やました・ともや)さんに「夏のDigi田(デジデン)甲子園」について話を伺いました。
(左から)青木源太、山下智也さん、足立梨花
◆初開催「夏のDigi田甲子園」とは?
地方では、人口減少、少子高齢化、過疎化により、15~65歳未満の生産年齢人口が減少しています。これにより、労働力不足はもちろんのこと中小企業経営者の後継者も不足しています。
地方の産業が衰退すると働く場も少なくなり、ますます人口が流出して地域の経済も縮小してしまいます。そうなれば税収も減り、行政サービスの低下を引き起こす要因にもつながるなど、地方が抱える課題は深刻です。
そこで、こうした課題をデジタル技術の活用によって解決に導いていこうと掲げられたのが“デジタル田園都市国家構想”です。
これは、デジタル技術の活用によって地域の個性を活かしながら、地方の課題解決や魅力向上を実現し、“全国どこでも、誰もが便利で快適に暮らせる社会”を目指す構想です。以前、当番組でも取り上げた
「地方創生テレワーク」もその取り組みの1つです。
このデジタル田園都市国家構想の実現をスピードアップさせるためには、各地域で独自のデジタル技術の活用の取り組みを積極的に発信し、別の地域でもどんどん取り入れてもらうことが必要ということで、今夏に初めて開催されるのが「Digi田甲子園」です。
Digi田甲子園とは、デジタル田園都市国家構想の実現に向けた地域の取り組みを広く募集し、国民によるインターネット投票と有識者による審査により、特に優れたものを内閣総理大臣が表彰するという新しい取り組みです。
この夏は「夏のDigi田甲子園」と題して、地区予選を通過した各都道府県の代表の市区町村がエントリーしており、「159の取り組みが勢揃いしている」と山下さん。7月12日(火)からはインターネット上で本選がおこなわれており、実装部門とアイデア部門に分けて表彰されます。
実装部門は、その地域が抱える医療、教育、子育て、物流、防災などの課題を実際に解決して、住民の暮らしの利便性と豊かさの向上や地域の産業振興につながっている取り組みがおこなわれているかどうか。
または、高齢者、障がい者などデジタルに不慣れな人々がデジタル機器やサービスの利用方法を学ぶことができる環境づくりを進めるなど、あらゆる人がデジタル化の恩恵を享受できる社会の実現に寄与している取り組みを募集しています。
人口規模などにより、表彰対象となる自治体を3つに分け、それぞれ特に優秀と認められたものが表彰されます。
またアイデア部門は、まだ実装には至っていないものの、数年以内に実装される見込みのあるアイデアとして特に優秀と認められたものが表彰されます。
◆デジタル技術を活用して
番組後半では、今回エントリーしていないものの、デジタル技術を活用して地域の課題解決に役立っている先進的な事例を紹介していきました。
まずは、中山間地で“スマート農業”をおこなった高知県四万十町(しまんとちょう)の事例を紹介。この地域では、担い手の減少や高齢化の進行のために農業を継続できない農地が増えていて、特に山あいにある水田は、それぞれの区画が狭くて傾斜もあることがネックで、高収益が期待できる他の栽培に転換できない水田も少なくない状況でした。
そこで、関係団体がタッグを組み、地域の耕作放棄地を集めて農地を拡大。農地が広くなったことで、自動運転トラクターや直進キープ田植機、ラジコン草刈機などのスマート農機を導入して作業時間を削減。また、経営管理アプリで作業状況をスマホ管理できるようにして効率化を図った結果、エサ用のお米である飼料用米などで26%ほど、大豆で40%ほど農作業にかかる時間を削減することができたそうです。
山下さんは「1軒の農家さんではなかなか解決できない課題を、地域や関係団体が一丸となって、デジタル技術を活用して取り組んだことで解決した。しかも、作業効率もアップした好事例」と称賛します。
続いては、IoT(モノのインターネット)によるおもてなしサービスを実証した和歌山県・南紀白浜(なんきしらはま)の事例です。
観光で地域を活性化させるには、「特定の観光スポットだけでなく、いかにその地域を周遊して楽しんでもらうかが重要になる」と山下さん。この取り組みでは、観光における周遊性向上のためにデジタル技術を活用した快適な旅行体験を提供しています。
事前に顔情報などを登録しておけば、地域のさまざまな場所でキャッシュレス決済などの顔認証を活用したサービスが受けられます。例えば、空港で顔認証決済ができたり、ホテルの部屋の鍵が顔認証で開けられたり、観光施設にも顔認証で入館することができます。
このサービスでは「スムーズな旅が楽しめるだけでなく、観光客の好みに合った情報を受け取ることができるので、便利でお得にエリアを周遊することもできる」とメリットを挙げます。
また、サービスを提供している側としては、観光する人たちの行動パターンなどをデジタル技術によって効率的にマーケティングできるため、地域の観光を活性化させる新しい企画を立てるときにも役立っており、実際に観光客の満足度も上がっているそうです。
これらはほんの一例で、現在、本選を開催している
「夏のDigi田甲子園」のサイトでは、地区予選を突破した実にさまざま都道府県代表の取り組み事例が紹介されているほか、1分程度の紹介動画も公開中です。
山下さんは、「リスナーのみなさんも、ぜひ
『夏のDigi田甲子園』のサイトをご覧いただき、それぞれの地域の課題解決に役立つ取り組みを参考にしてください。そして、特に良いと思う取り組みに、ぜひ投票してください(※投票期間:8月15日(月)まで)! どうぞ、その1票で『夏のDigi田甲子園』を盛り上げて、誰ひとり取り残されない、誰もが便利で快適に暮らせる社会を実現していきましょう!」と呼びかけました。
足立は、「いろいろな地域がさまざまな案を出し合っているのは素敵だと思った」と感想を述べつつ、「そのなかでも、誰ひとり取り残されない、誰もが便利で快適に暮らせる社会をみんなが考えていることがとても素敵だし、私たちも何かその手助けができればいいなと思った」とコメント。
青木は、「人口減少の社会のなかで、地方が抱える課題はたくさんあるが、デジタル技術の活用が課題解決に役立つ」とし、「『Digi田甲子園』で、ほかの地域がやっていることを取り入れて、日本全体が活性化してくれれば」と期待を寄せていました。
(左から)青木源太、足立梨花
----------------------------------------------------
▶▶この日の放送内容を「radikoタイムフリー」でチェック!
聴取期限 2022年8月15日(月) AM 4:59 まで
スマートフォンは「radiko」アプリ(無料)が必要です。⇒
詳しくはコチラ
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
----------------------------------------------------
<番組概要>
番組名:青木源太・足立梨花 Sunday Collection
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:青木源太、足立梨花
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/collection/