ペピーノ
川瀬良子がパーソナリティをつとめ、日本の農業を応援するTOKYO FMの番組「あぐりずむ」。毎週火曜は、農業はもちろん、時代の先を見据えたさまざまな研究をおこなっている東京農業大学から、最先端の農学研究を紹介します。6月7日(火)と6月14日(火)の放送では、2週にわたり、農学科の髙畑健(たかはた・けん)教授が出演。専門領域である「ペピーノ栽培の研究」をテーマに伺いました。
(左から)髙畑健教授、川瀬良子
◆可能性を秘めた“ペピーノ”とは?
この日、たくさんのペピーノ(ナス科の果菜類)とペピーノで作ったデザートを用意してきてくれた髙畑教授。カットしたペピーノを見た川瀬は「見た目は黄桃やマンゴーみたいですね」と印象を語り、早速試食してみると「メロンに似ていますね! めちゃくちゃおいし~い!」とその味わいにビックリ。
髙畑教授が用意してくれたペピーノ料理
髙畑教授によると、1980年を過ぎた頃にニュージーランドを経由して日本に入ってきたそうで、ニュージーランド産のペピーノがとてもおいしかったことから、その翌年に国内栽培がスタート。
しかし、「当時は珍しさが先行したことと、栽培方法がちゃんと確立されていなかったことから、作ることはできたけど高品質な物ができなくて、あまり商業栽培されない状況だった。そこで、東京農大の力でより簡易で高品質なペピーノを作れないかと思って、10年前ぐらいに取り組んだのがきっかけ」と振り返ります。そんな努力の甲斐があって、ペピーノの栽培方法で特許を取得するまでに至ります。
この日、用意してくれたペピーノの加工品やデザートは、東農大の学生たちと一緒に作ったもので、「専門ではない素人集団が作った加工品でも“おいしい”という反応が多いので、“プロが作ればもっと化けるのではないか!?”と可能性を感じている」と、さらなる普及に期待を寄せます。
ペピーノ入りアイスなど
◆“映える”見た目もアピールポイント
ペピーノは、ナス、トマト、ピーマンなどが属するナス科の果菜類。その味わいは、髙畑教授いわく「メロンと洋梨をミックスしたような味」で、初めて食べた人はナス科だとは思わず、ウリ科と勘違いする人が多いそう。
また、原産地は南米・ペルーやエクアドルのアンデス山脈一帯の地域などで、現在、髙畑教授の研究によって「実験レベルでは、甘くする栽培方法が確立できている。どの方が挑戦しても、同じように栽培できるのではないか」と手応えを語ります。
一方で、「“甘さを強く感じる果実を安定して収穫できるようになる”ということが大前提であると同時に、一株当たりの収穫量がそれほど多くなく、ハダニの害虫被害問題などもあるので、農家さんに負荷がかからないように、今まさに学生たちと栽培実験を進めているところ」と課題にも言及します。
そして、最後に「ペピーノの果実は黄金色(こがねいろ)で鮮やかで幸福を感じるような色合いなので、ビジュアル面もアピールポイントですし、“映える果物”という位置づけで、今後流行るのではないかと夢見ている」と髙畑教授。「東京農大で確立したペピーノ栽培方法をブランドとして位置づけし、農大方式というところを浸透させていければ」と期待を込めていました。
次回6月21日(火)の放送も、どうぞお楽しみに!
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聴取期限 2022年6月22日(水) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:あぐりずむ
放送日時:毎週月曜~木曜 15:50~16:00
パーソナリティ:川瀬良子
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/agrizm/