放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」。4月3日(日)の放送では、料理人の道場六三郎(みちば・ろくさぶろう)さんをゲストに迎えて、お届けしました。
(左から)小山薫堂、道場六三郎さん、宇賀なつみ
道場さんといえば、小山が構成を担当していた料理バラエティ番組「料理の鉄人」(フジテレビ系・1993〜1999年)で、“和の鉄人”としてその名を轟かせていたことでも知られ、現在御年91歳。今なお現役で包丁を握り続けるレジェンドです。
そんな道場さんの健康の秘訣は「ゴルフ」。今でも週に2~3回やるほど元気で、「(その成果もあって)脚の筋肉が強いので、まだ転んだことがないんですよね。コロナ禍で店のことも含めていろいろあるんだけど、なんでもポジティブに考える性格なので、心のプレッシャーがあんまりないんですよ。そういったことが、僕の長生きの秘訣かな」と語ります。
そもそも10代で料理の道に進もうと思ったきっかけは、「料理人をやっていれば、何とか食べていけるだろうという安易な気持ちだった」と道場さん。というのも、当時は「食べるものが全然ない時代でしたから」と振り返ります。
生まれ育った石川県から上京して70年以上が経ち、料理人一筋。その間、一度も辞めたいと思ったことはないと言い、「親の教えじゃないけど、『石の上にも三年』というのが頭のなかにあって、かじりつきましたね」としみじみ。厳しい世界でありながらも、「料理は楽しいですね。本当に好きな道に入れてよかったと思います」と笑顔をのぞかせます。
長い料理人生活のなかで、一番緊張したのは、元内閣総理大臣の中曽根康弘が90歳(卒寿)のときに料理を振る舞ったときだと道場さん。「中曽根さんが『年寄りには年寄りの料理人がいいな』ということで、えらい年の差はあるんだけどね(苦笑)。(年寄りと)言われたのが、今となるとうれしいのか、悲しいのか。やっぱり歳をとるとね、口を大きく開けられないんですよ。小さくカットしてあげてね、味加減も気をつけました」とそのときのことを回顧。
小山が「食べる方に合わせて常に味も変えるし、考え方も変えられるんですね」と感心すると、道場さんは「やっぱり“思いやり”でしょうね」と力を込めます。
また、道場さんによると、日本料理の職人の多くが昔の仕事を尊がるなか、「僕の場合は変わっていくんですよ。昔やった仕事はやりたくないのでね。やっぱり自分で新しく考えた仕事のほうが生き生きしているんです。だから人の真似をしたくないね」と思いを語ります。
道場さんのエッセイ集「91歳。一歩一歩、また一歩。必ず頂上に辿り着く」(KADOKAWA)
そんな探究心あふれる道場さんが、最近新たに発見したのは「マヨおろし」。大根おろしにマヨネーズを入れ、レモンを搾り、ちょっぴり砂糖を入れたマヨおろしを作ってみたところ「それが今まで聞いたことも見たこともない代物でね。おろしとマヨネーズをミキサーにかけますとね、真っ白になるんですよ。それにアスパラやエビなんかを入れると彩りが爽やかで、食べるとさっぱりしていて面白い」とおすすめすると、小山は「すぐにやってみたい!」と興味津々。宇賀も「確かに、(マヨおろしは)聞いたことがないですね」と関心を寄せます。
寝ているときに考えることは、料理とゴルフのことばかりと、茶目っ気たっぷりに話す道場さん。これまでたくさんの弟子を育ててきた道場さんに、宇賀が「お弟子さんには、何を一番大事に伝えていらっしゃったんですか?」と尋ねると、「若い連中には『包丁は研げよ』と言うんですよ。切れる包丁は気持ちがいいので、(料理が)楽しくなるんですよね。若い連中はどうも包丁をあまり研いでいないんだよね。一昨年の僕の座右の銘が『許す』だったんです。いろいろなことがあっても許してやろうと。“思いやり”というのはお客さんに対してだけじゃなく、働く連中にも思いやりをかけています」と語っていました。
久々に再会した、小山薫堂と道場六三郎さん
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<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY’S POST
放送日時:毎週日曜 15:00~15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト:
https://www.tfm.co.jp/post/