モデル・タレントとして活躍するユージと、フリーアナウンサーの吉田明世がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「ONE MORNING」。
8月31日(水)放送のコーナー「リポビタンD TREND NET」のテーマは「夏休み明けに増える子どもの自殺。コロナ禍の悩みの傾向は?」。認定NPO法人「チャイルドライン支援センター」常務理事・高橋弘恵さん、学習院大学 非常勤講師・塚越健司さんにお話を伺いました。
※写真はイメージです
夏休みが明けて、学校が再開する時期は、子どもの自殺が増える傾向にあります。この問題について、全国の18歳以下の子どもから、
電話やチャットで悩みの相談を受け付ける「チャイルドライン」を運営している、認定NPO法人「チャイルドライン支援センター」常務理事・高橋弘恵さんにコメントをいただきました。
■コロナ禍…子どもたちの悩みの変化は?
高橋:昨年度、全国に68団体ある「チャイルドライン」で受けた電話と、チャットで会話が成立した件数が大体4万7,000件でした。
最も多いのが「自分の心に関すること」、その次に多かったのが「人間関係」に関することです。新型コロナウイルスの感染拡大以降、学校がお休みになったりする関係で、「人間関係」がストレスだった子どもたちからの「人間関係」に関する相談は減りました。
その分、「外に出られなくて1人で家にいる」とか、「友だちと触れ合う時間」が減った分、自分と向き合う時間が増えたこともあり、「自分の心に関すること」の相談が増えたのかなと思います。
思春期特有の「なんで生きているんだろう」「これから自分は、どうなっていくんだろう」「何をしていくんだろう」……という不安は、今までは学校に行って友だちと話すなかで解消されていたのが、その時間がなくなった分、自分のことを考える時間が増えて、少しうつ傾向が増えたとも言われています。心が弱ってしまったのかな、という印象を受けています。
■「学校に行きたくない」…どうすればいい?
吉田:この日の放送は8月31日なので、明日は夏休み明けで「学校に行きたくない」と悩んでいる小学生、中学生、高校生がいらっしゃるかと思います。今まさに悩んでいる子どもたちは、どうすればいいのでしょうか?
高橋:まず、1人で抱えないでください。1人でモヤモヤ考えて、ぐるぐるしているよりは、“一度吐き出してみる”ということをしてほしいなと思っています。
一番は「チャイルドライン」に電話をしてきてほしいのですが、(電話をする)ハードルが高ければ、オンラインチャットで文字でのやり取りもできますし、
「チャイルドライン」のホームページには、「つぶやく」という書き込むだけのページもあります。
まず、そこで気持ちを吐き出してみる。自分がどんなことにモヤモヤしているのか、困っているのか、というのが文字で確認することができるので、それで一旦、落ち着いて、誰かに相談してみる。答えがなくても、話をするだけでいいので、雑談でもいいし、誰かとコミュニケーションをとるということをしてほしいです。1人で孤独に考えないでほしいなと思います。
▶▶18さいまでの子どもがつながる「チャイルドライン」ホームページ:https://childline.or.jp/
■チャットで気軽に相談できる人が増加
ユージ:夏休み明け、子どもの自殺が増える傾向にあることについて、(水曜コメンテーターの)塚越さんは、どのようにご覧になっていますか?
塚越:昨今の悩み相談で注目されているのが「LINE」などを利用したチャットです。若者にとっては匿名であっても、電話=声を利用したコミュニケーションは「ハードルが高い」と感じる人は多いです。チャットであれば、そのハードルがグッと下がります。
例えば、長野県が2017年に、中高生向けにLINE専用の悩み相談アカウントを2週間開設したところ、1,500件ほどのアクセスがありました。その前年の1年分の電話相談件数が259件だったことと比較しても、(LINEのほうが)敷居が下がるので効果は高いです。
相談員としても、チャットならログが残るので、ログを読めば別の相談員も対応できるという点も大きいです。そこから信頼関係を築いて、場合によっては電話や対面といった手段につなげることもできます。
次に、
「チャイルドライン」さんでおこなっている「つぶやく」というページです。Twitterの“鍵アカウント”のように、自分だけが見えるつぶやきです。自分だけのつぶやきは、いわば自分のためだけに書かれた「日記」のようなものです。
日記を書くという行為は、「自己相対化」行為になりますし、言葉を挟むことで、自分をある意味で他人のように見ることができます。書かれている言葉から、自分の気持ちを改めて確認するだけでなく、「おかしい」と思ったら修正するきっかけにもなります。
ちなみに日記は、古くは古代ローマから実践が確認されている方法です。大人も含めて、よい実践だと思います。また、「つぶやく」のページでは、他人のつぶやきを見ることもできます。他人のつぶやきを見ることで、「自分固有の悩みは、自分だけのものではない」と感じることもできます。
ネットやSNSの世界は、とにかくめまぐるしく動くので、気づくと自分の気持ちをないがしろにしがちです。かといって1人で自分の気持ちを考えすぎると、そこから出られなくなるので、「チャイルドライン」のようなサービスを適切に利用することで、バランスをとってほしいです。
いまだに、こうしたサービスの利用を躊躇する空気があるように思われるので、みんなで空気を変えるアクションも必要だと思います。
<今日のユジコメ>
ユージ:今回は「子ども」の悩みにフォーカスしましたが、誰でもそうだと思いますし、いろんな悩みごとへの対処の仕方はいろいろあります。
「人に相談したほうがいい」とよく言うけど、本当につらいときって、人に言えないことのほうが多かったりしますよね。僕ももちろん、人に言いづらいことや、どこまで弱みを見せていいのか悩むことがあります。
僕は、人に打ち明けにくい気持ちは紙に書きます。書くことは、人に相談するのと近いところがあって、自分のなかの「つらい」という気持ちが可視化されて出たように感じます。自分のネガティブな感情を書くというのは、自分のなかから吐き出す1つの方法としていいのかなと思います。
最近では、(先ほどの
「チャイルドライン」さんの「オンラインチャット」など)自分の顔や名前、声も出さずに文章を送って、誰かが相談に乗ってくれるという方法もあるので、そういったツールに頼るというのも1つです。つらいこともあるかもしれませんが、うまく吐き出す方法を見つけてほしいなと思いました。
吉田明世、塚越健司さん、ユージ
▶▶18さいまでの子どもがつながる「チャイルドライン」ホームページ:https://childline.or.jp/
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聴取期限 2022年9月8日(木) AM 4:59 まで
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番組名:ONE MORNING
放送日時:毎週月~金曜6:00~9:00
パーソナリティ:ユージ、吉田明世
番組Webサイト
https://www.tfm.co.jp/one/