放送作家の高須光聖が、世の中をもっと面白くするためにゲストと空想し、勝手に企画を提案していくTOKYO FMの番組「空想メディア」。10月30日(日)の放送では、料理研究家の土井善晴さんが登場。ここでは、長年出演した料理番組「おかずのクッキング」(テレビ朝日系)の話や料理研究家の道に進んだ経緯について語ってくれました。
(左から)土井善晴さん、高須光聖
◆料理番組を長く続ける苦労
高須:初めましてですけども、ずっとテレビで拝見していました。
土井:長いことやらせてもうてたからね。
高須:「おかずのクッキング」は何年やられていたんですか?
土井:父の代からだと48年です。
高須:土井勝さんですね。
土井:私に代わってからは34年。
高須:34年!? もう生活の一部ですよね。
土井:そうやね、ある意味で番組に鍛えられたからね。自分なりに(レシピを)考えて……1人で試行錯誤するから大変なんですよ。同じ料理を作ったら“前にやりました”って言われるから。
高須:そうですよね。
土井:違う人が同じものを作るのは全然オッケーなんやけど、1人だと(同じ料理に見えないように)見方を変えなければいけない。そのなかで、いろいろ試行錯誤してやっていましたね。
◆料理の道を志したきっかけは?
高須:お父様が料理をされていて番組もされていたなかで、自分も料理の世界に飛び込もうと思ったのはなぜですか?
土井:“飛び込む”って決心したことはないんですけど、子どもの頃から食べ物の話をしょっちゅうしていました。3人兄弟で私は真ん中なんですけど、“料理をしたい”と思っていたのは私だけでした。
高須:そうなんですか!
土井:料理の道は高校生ぐらいのときから考えていましたね。
高須:それは、お父様が料理をされているから興味が湧いたんですか?
土井:“興味が湧く”というよりも“料理をするのが当たり前だ”と捉えていたんやね。ただ、“料理という漠然とした世界にどっから入ったらええんやろか?”みたいなことは思いましたね。
高須:そうですよね。僕は母親にしか料理を作ってもらえなかったんですけど、(母の作る)ちらし寿司がまずくて……(笑)。もちろん、うまい料理もあるんですけど、ちらし寿司は酢の味しかせえへんくて(笑)。
土井:それでも(料理を)作ってもらっていたことで、こんなにええ子になってんねんから(笑)。
高須:(笑)。それで、(後から)もっとおいしいちらし寿司があることに気付いて、そのときに“たまたま母親のちらし寿司が合わなかっただけだったんだな”と思いました。
土井:今って、勝手においしくなるような調味料も売ってるわけですわ。でも“酢が強いな”って思ったということは、お母さんはそういうもんに頼らんと自力で作ってはったんよ。そこに値打ちがあるんですわ。
高須:なるほどね!
土井:だからね、昔の「まずい」って“純粋”やったんですよ。今は“小賢しい”というか、なんかおいしい顔して出てくるでしょ? あれが悔しい(笑)。
<番組概要>
番組名:空想メディア
放送日時:毎週日曜 25:00~25:29
パーソナリティ:高須光聖
番組公式Facebook:
https://www.facebook.com/QUUSOOMEDIA/