市川美絵がパーソナリティをつとめるラジオ生放送番組「Seasoning~season your life with music~」。6月23日(木)の放送は、木曜レギュラーパートナーの若新雄純(慶應大学特任准教授などをつとめるプロデューサー)が登場。最近起きたニュースを独自の視点で解説する「若新雄純の『色メガネ』」のコーナーでは、「女性アスリートの容姿への表現」について取り上げました。
木曜レギュラーパートナーの若新雄純
◆容姿の問題を議論する上で大切なこととは?
スポーツ記事に見られるジェンダーへの偏見や固定観念を含む表現に対する「読者の意識」について、朝日新聞社と明治大学 高峰修研究室が共同で調査。女性アスリートの容姿を「美しすぎる」「かわいい」などと表現することに違和感を覚えるかどうかの問いに、違和感を「覚える」(21.6%)、「やや覚える」(37.9%)の回答があったと発表。その両方を合わせると、「覚えない」と回答した40.5%よりも多かったことがわかりました。
*
若新はルッキズム(外見至上主義)について「容姿を重視しすぎるのはどうなのかという議論は、もちろんあっていいと思う」と前置きしつつ、この問題を議論するにあたって「本当に考えなければいけないのは、容姿の問題ではなく、“人気とは何なのか”という問題ではないか」とコメント。
これはスポーツ界だけに限った話ではなく、さまざまな世界において「(計測できる記録や成績だけでなく)人気というものが付きまとう」と指摘します。
例えば、学校のクラスの中で勉強が一番できる人や、走るのが一番速い人が、その順番通りにみんなから人気があるかというと、必ずしもそうではありません。若新は「人間は、“人気”という非常に曖昧で独特な基準で、人を注目したり評価する」と明言。つまり、「容姿は人気につながる要因の1つに過ぎない」と主張します。
アスリートやその競技に携わる人たちにとっては、選手や競技がメディアで取り上げられて注目されるのは喜ばしいことではあるものの、人気や注目を集める要因は、必ずしも成績や記録だけではありません。容姿やキャラクターなど、数値化できないようなさまざまなものも関係していると若新は述べます。
「僕は半端者だからいいけど、大学の先生や研究者でテレビに出て注目集めている人もいますよね。(その人たちは)研究成果や研究内容だけで人気が出ているかというと、そんなことはない。それこそ、その人のキャラクターや言い回し、場合によっては容姿など、トータルで見られている。僕たちはそういった完全に割り切ることのできない曖昧なもので人を見ちゃっているし、(そうした部分に)注目されることがある」と述べた上で、「だから単に『外見で人を見るな』という批判をしたところで、『人気で人を見るな』とは言えず、むなしいのではないか」と持論を展開します。
そうした批判よりもむしろ、「人気という、人の思い通りにならないものを、僕たちがどのようにうまく扱って生きていくか」と問題提起。「 “人気とは何なのか”ということも踏まえて、容姿やルッキズムの問題について考えていかないといけないのではないか」と述べました。
----------------------------------------------------
スマホアプリ「AuDee(オーディー)」では、スペシャル音声も配信中!
★ダウンロードはこちら→
https://audee.jp/about
----------------------------------------------------
<番組概要>
番組名:Seasoning~season your life with music~
放送日時:毎週月曜~木曜 13:30~15:55
放送エリア:TOKYO FMをのぞくJFN全国20局ネット
パーソナリティ:市川美絵、角田陽一郎(月曜)、副島淳(水曜)、若新雄純(木曜)
番組Webサイト:
https://audee.jp/program/show/38286