住吉美紀がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「Blue Ocean」では、新型コロナウイルスの感染対策に取り組むWHO(世界保健機関)の健康危機管理プログラムシニアアドバイザーの進藤奈邦子(しんどう・なほこ)さんにリモートインタビューを実施、その模様をお届けしました。7月17日(金)は「新型コロナウイルスのパンデミックをどう捉え、わたしたちの未来はどうなるのか」についてお話を伺いました。
写真はイメージです
◆情報のパンデミック=インフォデミックが悪影響を及ぼすことも
住吉:新型コロナウイルスに関して、進藤さんは今までアウトブレイクをいくつかご経験されていると思うのですが、人類にとってはかなり歴史的なパンデミックだと見ていますか?
進藤:そうですね。この規模のパンデミックはもちろん初めてです。21世紀に入って世界中が、情報伝達やサイエンス技術の発達によってどんどん地球が小さくなって、より1つになってきています。人間だけではなくて環境や動物もそうです。
エボラ出血熱も、昔はジャングルの離村の病気でしたが、欧米にまで来てしまうわけですよね。日本に来てもおかしくなかったわけです。実際に、中東呼吸症候群の人は、1人がサウジアラビアから韓国に持ち込んで、180人以上もの患者さんが出てしまいました。新型コロナウイルスも、そうした地球の状況を表している一現象に過ぎないのではないかと思います。
住吉:では、今の世界のパンデミックの状況から抜け出せると、人類は何か変わるのでしょうか。
進藤:わかっていただきたいのは、「みんなに役割がある」ということと、「今このような速さで感染症が起こると、広がる」ということ。
アウトブレイクや疫学流行があると、その対応のほうにお金が行ってしまいますが、そうではなくて準備のためにもっとお金と労力をかけて欲しいです。あとはコミュニケーションです。私たちは、インフォデミックと言っていますが、パンデミックが情報の世界にも起こるということです、ときとして、インフォデミックのほうが、感染症そのものよりも早く広がってしまって悪影響を及ぼしたりします。
住吉:それは“ガセネタ”みたいなものですか?
進藤:そうです。間違った情報がどんどん流れて、SNSなどでものすごく速い速度で広がってしまうので、それとどう対峙していくか、ということですね。
◆相手は病原体、科学で退治できるはず
住吉:リスナーからのメールで、今すごく気分が落ち込んでしまうとか、未来が不安だという声がたくさん届くのですが、進藤さんご自身が希望を持って仕事を進めているのは、どうしてですか?
進藤:新型コロナウイルスは経済的にも精神的にも人々にネガティブなインパクトを与えるという副作用があります。私はパンデミックが起こるとわかっていたし、準備もしていたから、落ち込んでいないのかもしれません。でも、相手は病原体ですので、科学で退治できるはずです。科学の力を信じているところがまず1つと、世界のブレインたちが必死になって取り組んでいるので、絶対にいい方向に行かないはずがないと思っています。
きっと人間の英知が、このパンデミックをなんとかしてくれるに違いありませんし、誰も役割がない人はいないので、そうしたことを考えて過ごしていただきたいです。
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<番組概要>
番組名:Blue Ocean
放送日時:毎週月~金曜9:00~11:00
パーソナリティ:住吉美紀
番組Webサイト:
http://www.tfm.co.jp/bo/